研究課題/領域番号 |
11157217
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
船越 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40273685)
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研究分担者 |
中村 敏一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00049397)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子 / HGF / HLP / Gas6 / 神経栄養因子 / ニューロン / クローニング / トランスジェニックマウス |
研究概要 |
(1)海馬ニューロンに対するHGFおよび新規神経栄養因子Gas6のもつin vitro神経栄養活性の解析 HGFは新規神経栄養因子であるが、これまで明かとなっていた海馬ニューロンの血清除去による神経細胞死モデルに加え、グルタミン酸誘導性神経細胞死モデルやアミロイドβ25-35誘導性神経細胞死をHGFが濃度依存性に阻止することを明らかにした。また脳神経系特異的チロシンキナーゼ型受容体SkyのリガンドGas6が新規神経栄養因子として機能し、海馬、さらには小脳顆粒細胞に対し神経生存促進活性をもつことを同定した。 (2)脳神経系特異的チロシンキナーゼ型受容体Skyのファミリー分子のクローニングとその機能解析 新規神経栄養因子として昨年同定したGas6の受容体Skyにはファミリー受容体Axlおよびc-Merが知られる。私達はアフリカズメガエルから第4番目のファミリー受容体をクローニングしXksyと名付けた。このリガンドはまだ不明であるためXksyの膜貫通および細胞内領域とEGFの細胞外領域とのキメラタンパクを作成した。現在この分子をEGFで活性化しXksyの機能を解析している。 (3)HGFファミリー分子(HLP)の新規神経栄養因子としての同定 HGF-like protein(HLP)はHGFと同様4つのクリングル構造をもつアルファ鎖とセリンプロテアーゼ様構造をもつベータ鎖よりなる。これまでHLPはマクロファージに対する機能しか知られていなかったが、本研究でHLPが鶏胚感覚神経節にin vitroで神経栄養活性(神経突起伸長・migration促進活性)を示すことを明かとした。HLPの活性の特異性は、Ron/HLPレセプターの細胞外ドメインとイムノグロブリンFcとのキメラタンパクにより確認された。 (4)運動神経変性疾患モデルマウスに対する新規神経栄養因子(HGF)の機能解析 (a)神経系特異的HGF発現トランスジェニックマウス(NE-HGF-Tg)の作成 生後活性化される神経特異的プロモーター制御下にHGF-tagを発現する神経特異的HGF発現マウス(NS-Tg-HGF)を作成した。 (b)NS-HGF-Tgと筋萎縮性側索硬化症(ALS)モデルTg-マウスであるSOD-1変異遺伝子Tg-マウスの交配によるダブルTg-マウスの作成とHGFのALSにおける機能解析 ダブルTg-マウスではHGF遺伝子を脳血液関門を考慮せず長期間ALS-Tg-マウスの神経に直接発現できる。ダブルTg-マウスでALSの発症遅延と生存期間の解析中である。
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