研究課題/領域番号 |
11157226
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山本 秀幸 熊本大学, 医学部, 講師 (60191433)
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研究分担者 |
笠原 二郎 熊本大学, 医学部, 助手 (10295131)
福永 浩司 熊本大学, 医学部, 助教授 (90136721)
宮本 英七 熊本大学, 医学部, 教授 (50109659)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | NG108-15細胞 / カルシウム / カルモデュリン / カルモデュリンキナーゼII / 神経細胞死 / 転写調節 / 脳由来神経栄養因子(BDNF) / プロモーター解析 |
研究概要 |
脳由来神経栄養因子(BDNF)は脳内に多量に発現しており、神経細胞に対し、強い生存維持活性をもつことが知られている。これまでに電位依存性Ca^<2+>チャネルの開口に伴う神経細胞内へのCa^<2+>の流入がBDNFのmRNAの発現を増加することが報告されていた。今回、本反応にCa^<2+>/カルモデュリン依存性蛋白質燐酸化酵素II(CaMキナーゼII)が関与する可能性について検討した。すなわち、モデル系として、CaMキナーゼIIの中で神経細胞の核内に存在するアイソフォームであるアルファBやデルタ3をNG108-15細胞に過剰発現させた。1.NG108-15細胞では、BDNFのmRNAの中でエキソンIVを含むBDNF(IV-BDNF)のmRNAが多量に発現していた。2.定量RT-PCR法による検討では電位依存性Ca^<2+>1チャネルを開口させるBay-K8644の処理により、IV-BDNFのmRNAが増加した。3.アルファBやデルタ3の過剰発現によりIV-BDNFのmRNAの増加が有意に増強された。核内に移行しないデルタ1の過剰発現では増強効果は認められなかった。4.酵素のATP結合部位のアミノ酸を置換させ、活性をもたない変異体を作製した。得られた変異体の過剰発現ではIV-BDNFのmRNAの発現増強は認められなかった。5.ルシフェラーゼ遺伝子をレポーター遺伝子とし、IV-BDNFのプロモーター活性を検討した。ルシフェラーゼ活性はアルファBやデルタ3の過剰発現により増強された。6.免疫染色法によりBDNF蛋白質の発現について検討した。核内にアルファBやデルタ3を過剰発現する細胞のみがBDNFに対する抗体で強く染色された。 今回の結果から、神経細胞内へのCa^<2+>の流入によるBDNFの発現に核内に存在するCaMキナーゼIIが関与することが明らかになった。今後、神経細胞死の防御への応用を検討する予定である。
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