研究課題/領域番号 |
11157228
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
古川 昭栄 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90159129)
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研究分担者 |
新田 淳美 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (20275093)
野元 裕 岐阜薬科大学, 薬学部, 講師 (80164747)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脳由来神経栄養因子 / イムノフィリン / グリア細胞株由来神経栄養因子 / パーキンソン病 / 黒質ー線状体 / サイクロスポリンA / タクロリムス / マウス |
研究概要 |
中枢神経細胞は一度ダメージを受けると修復が極めて困難である。そのためアルツハイマー病やパーキンソン病のような中枢神経傷害の治療についても対照療法にとどまっているのが現状である。脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor ; BDNF)やグリア細胞株由来神経栄養因子(glial-derived neurotrophic factor ; GDNF)はドパミン作動神経細胞に対して強力な生存維持効果を持つことが報告され、これら因子をパーキンソン病の治療薬に用いられないか懸案されている。しかしながら、これらタンパクは、血液・脳関門を通過出来ず、血中での安定性にも問題があるため、これらを直接治療薬として用いることは無理である。そこで、これら因子を生体内で誘導できる低分子化合物の検索を試みた。培養神経細胞やアストロサイトの培養上清にサイクロスポリンAやタクロリムスのようなイムノフィリンリガンドと呼ばれる免疫抑制剤を添加すると、BDNFやGDNFの産生が誘導されることを見い出した。さらに、これら免疫抑制剤をラットやマウスに連続投与すると脳内BDNFやGDNF含量が増加して。さらにパーキンソン病モデルマウスのドパミン作動神経系の障害に対しても顕著な保護効果を有していた。 これら新知見は、培養条件下での神経栄養因子産生誘導物質が中枢神経性の疾患に対して有効であることを強く示唆するものである。しかしながら、このようなイムノフィリンリガンドは免疫抑制作用を併せもつため副作用が懸念される。今後、免疫抑制効果のないイムノフィリンリガンドを開発したいと考えている。
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