研究課題/領域番号 |
11157232
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
麻生 定光 日本医科大学, 老人病研究所, 助教授 (70167914)
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研究分担者 |
石橋 佳朋 日本医科大学, 老人病研究所, 助手 (00312067)
紙野 晃人 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (40307955)
太田 成男 日本医科大学, 老人病研究所, 教授 (00125832)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | DLST / ミトコンドリア / アルツハイマー |
研究概要 |
我々はこれまでにジヒドロリポアミド・サクシニル転移酵素(DLST)遺伝子領域内に17ヶ所のアミノ酸置換を伴わない多型部位を見い出し、特にexon8(a)、intron11(g)、intron13(a)、exon14(c)の部位に特定の塩基置換(agac)をhomozygousにもつgenotype(agac/agac)がアルツハイマー病(AD)患者で多いことを報告した。DLST、あるいはその近傍の遺伝子変異がADの遺伝的危険因子であることが示唆された。ラット骨格筋ではDLST遺伝子から正常なDLST蛋白のほかに分子量の小さいsmall DLST(sDLST)が発現していることを我々は明らかにしている。本課題では、sDLSTの脳変性疾患への関与について検討した。ヒト5'CAPcDNAライブラリーから得られたsDLSTのcDNAの解析によって、sDLSTはintron7から転写され、exon8内の最初のATGから正常DLSTと同じフレームで翻訳されることがわかった。AD患者(n=22)の脳では健常人(n=33)の脳に比べsDLSTの発現量が有意に低く、健常人の約1/3であった(P=0.004)。GAPDHとDLSTの発現量の比はAD患者と健常人とでは有意差はなかった。AD患者と健常人の末梢血から調製したDLST遺伝子全体を含むコスミッドクローンをそれぞれラット褐色細胞腫PC12に導入したところ、AD患者由来のDLST遺伝子からのsDLSTの発現は健常人のそれに比べ約1/3低かった。DLSTの多型部位の塩基置換がsDLSTの発現を減少させていると考えられた。坑ヒトsDLST抗体でHeLa細胞のミトコンドリア画分にsDLSTを検出した。sDLSTがミトコンドリアの機能維持に関与していて、その発現減少がミトコンドリアの機能低下を引き起こしている可能性がある。
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