研究課題/領域番号 |
11157236
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長 (50022801)
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研究分担者 |
伊東 秀記 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 研究員 (40311443)
稲熊 裕 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 主任研究員 (10250250)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | alphaB-crystallin / phosphorylation / hsp27 / Alexauder disease / Alzheimer disease |
研究概要 |
1 αBクリスタリンのSer-59のリン酸化を認識し、immunofluorescenceに応用できる抗体を作製した。この抗体を用いてU373MGヒトグリオーマ細胞およびHeLa細胞を染色すると、分裂期の細胞の中心体・中央体が特異的に染色された。Ser-45のリン酸化型は分裂期細胞のおもに細胞質に存在することから、αBクリスタリンのリン酸化は細胞分裂に何らかの役割を果たしていることが示唆される。 2 2症例のアレキサンダー病患者脳と4症例のアルツハイマー患者脳およびage-matchした加齢対照脳について、αBクリスタリンおよびhsp27のレベルとαBクリスタリンのリン酸化状態を、ウェスタンブロット法にて解析して以下の結果を得た。(1)アレキサンダー病脳ではαBクリスタリンとhsp27が、脳抽出液の不溶性分画に多量検出された。(2)リン酸化αBクリスタリンも不溶性分画に存在し、とくにSer-59のリン酸化型が多かった。ついでSer-45のリン酸化も検出されたがSer-19のリン酸化型はわずかであった。(3)このαBクリスタリンのリン酸化状態は髄液中でも検出されるαBクリスタリンにも反映されていた。(4)アルツハイマー病脳および対照加齢脳でも、量的には少ないが、不溶性分画でαBクリスタリンおよびhsp27が検出され、また、おもにSer-59のリン酸化クリスタリンが沈着していた。 3 アレキサンダー病脳切片の免疫組織化学的染色では、αBクリスタリン、hsp27およびSer-59のリン酸化型はRosenthal fiber中に検出された。一方、アルツハイマー病脳および加齢脳ではαBクリスタリンとhsp27が、同じように、おもにミエリン線維で検出され、これらの分子シャペロンの脳での沈着は、神経系の加齢変化の一つと考えられた。
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