研究課題/領域番号 |
11159201
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井口 仁一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (70131810)
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研究分担者 |
五十嵐 靖之 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (70091965)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | スフィンゴ糖脂質 / ガングリオシド / 阻害剤 / 促進剤 / 記憶 / シナプス / 神経機能 |
研究概要 |
我々は、グルコシルセラミド合成酵素阻害剤(D-PDMA)を用いた内因性ガングリオシド枯渇実験により、大脳皮質ニューロンの機能シナプス形成に内在性のガングリオシド、特にGQ1bが関与していることを見いだし、神経系におけるガングリオシドの分子種特異的な機能を見い出している。さらに、D-PDMPのアナログを設計/合成した中から、D-PDMPより遙かに強力なグルコシルセラミド生合成酵素阻害活性(IC50:0.3μM)示しながら且つ細胞毒性を示さないPBPPを見い出した。現在、種々のGSL生合成酵素遺伝子とPBPPを有効に活用することによってスフィンゴ糖脂質の機能解析を行っている。一方我々は、D-PDMPの光学異性体であるL-PDMPは、逆にガングリオシドの生合成を促進するという興味ある現象を見いだしている。L-PDMPは初代培養神経細胞において、種々のガングリオシド合成酵素活性(GM3,GD3およびGQ1b合成酵素活性)を持続的に活性化すると共に、神経突起伸展作用やシナプス機能亢進作用を発揮した。また我々は、L-PDMPはラット脳内のガングリオシド生合成を活性化し、一過性脳虚血ラットの空間認知記憶障害を改善することを見い出していることから、本化合物のin vivoにおける有効性が証明された(1999年10月米国神経科学会にて発表)。L-PDMPのガングリオシド生合成酵素活性化機序を解明することは、スフィンゴ糖脂質生合成および発現制御機構の分子レベルでの解明に寄与するのみでなく、次世代の脳疾患治療薬への糸口をも拓くものであると期待される。現在、L-PDMPのガングリオシド生合成酵素活性化機序の解明を目的として、A)抗L-PDMP抗体を作成し、L-PDMPの細胞内局在の検討。B)L-PDMP結合のタンパクの検索(単離精製,同定、抗体作成、およびクローニング)を進めている。
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