研究課題/領域番号 |
11159205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 昌吾 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (60233300)
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研究分担者 |
川嵜 敏祐 京都大学, 薬学研究科, 教授 (50025706)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | HNK-1糖鎖抗原 / グルクロン酸転移酵素 / 細胞接着分子 / 遺伝子欠損マウス / GFAP |
研究概要 |
単クローン抗体HNK-1によって認識されるHNK-1糖鎖抗原は、3-スルホ-グルクロン酸という特徴的な糖鎖構造をエピトープとし、神経系特異的糖脂質、および、NCAMなどの神経接着分子に特徴的に発現している。本糖鎖抗原は神経の初期発生段階、神経回路の形成段階および神経回路の維持など様々な過程において重要な働きを持つことが示唆され注目されている。我々は、HNK-1糖鎖抗原の生合成に関与する酵素遺伝子(GlcAT-P、GlcAT-S)を単離し、これらを利用して分子生物学的手法により細胞レベル、及び個体レベルで本糖鎖抗原の役割を総合的に解明することを目指している。今年度の研究において以下に示す知見が得られた。 1)GlcAT-P遺伝子の欠損したノックアウトマウスの作成及びその解析 既に作成済みのヘテロ変異マウスよりGlcAT-P遺伝子を欠損するホモ異変マウスを得た。ホモ異変マウスにおける本酵素の欠損はサザン、ノーザン解析法を用いて確認した。またGlcAT-P遺伝子欠損マウスではHNK-1糖鎖抗原の大部分は消失していたが、一部特徴的な領域にHNK-1糖鎖の発現の残存が観察された。この結果は脳組織におけるHNK-1エピトープの大部分はGlcAT-Pにより合成されるが、もう一つの合成酵素であるGlcAT-Sによってもその発現が制御されていることを示している。欠損マウスの脳組織には顕著な形態異常は見いだされていないが、アストログリア細胞のマーカーとして知られているGFAP(Glial fibrillary acidic protein)の分布が正常マウスと大きく異なることが観察された。 2)第2のグルクロン酸転移酵素遺伝子の単離とノックアウトマウスの作成 1)の研究の結果、GlcAT-P遺伝子欠損マウスでは完全にHNK-1糖鎖の発現が消失しないことが明らかとなった。そこで、HNK-1糖鎖生合成に関与する第2のグルクロン酸転移酵素遺伝子(GlcAT-S)の欠損マウスの作成のため、まずGlcAT-S遺伝子をマウスの遺伝子ライブラリーから単離し、その構造解析を行った。その結果、本遺伝子は4つのエクソンから構成されていることが明らかとなった。またエクソンとイントロンのジャンクション部位はAG-GT則に従っていることが明らかとなった。
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