研究課題/領域番号 |
11159218
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 |
研究代表者 |
前田 信明 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (90202308)
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研究分担者 |
新谷 隆史 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (10312208)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | プロテオグリカン / PTPζ / ミッドカイン / コンドロイチン硫酸 / プレイオトロフィン |
研究概要 |
PTPζは脳特異的に発現している受容体型タンパク質チロシンホスファターゼであり、コンドロイチン硫酸プロテグリカンとして生合成される。我々はすでに、ヘパリン結合性成長因子であるプレイオトロフィン(PTN)がPTPζに結合することおよび、この両者の結合により大脳神経細胞の細胞移動が誘導されることを明らかにしている。本年度は、さらにPTNと約50%のアミノ酸配列の相同性を示すミッドカイン(MK)がPTPζに結合することを明らかにした。MKはPTPζに対して、PTNと同様の高親和性(Kd=0.5nM)と低親和性(Kd=3nM)の結合を示し、PTNとほぼ同様の神経細胞移動誘導活性を示す。 PTPζ-MK(PTN)間の結合とMK(PTN)により誘導される神経細胞移動は、コンドロイチン硫酸により強く阻害される。このことは、PTPζの情報伝達に本分子のコンドロイチン硫酸部分が重要な役割を果たしていることを示唆している。そこで、いくつかのMKミュータントを用いて、MK-PTPζ間結合の詳細を解析した。その結果、MK分子内に二ヶ所存在する塩基性アミノ酸クラスター(クラスターIとII)の内、クラスターIがPTPζのコンドロイチン硫酸と相互作用することにより、両者間の高親和性結合が可能になることが明らかになった。また、この相互作用がMKの神経細胞移動誘導活性にも必須であることが明らかになった。このことは、コンドロイチン硫酸が成長因子の細胞情報伝達に重要な役割を果たしていることを示している。
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