研究課題/領域番号 |
11160101
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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研究分担者 |
森川 耿右 生物分子工学研究所, 構造解析部門, 部門長
西村 善文 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (70107390)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | TFIIE / プロモーターメルディング / DNA結合領域 / TFIIH / キナーゼ / CTDリン酸化 / 細胞周期制御 / DNA修復 |
研究概要 |
1.TFIIEの構造解析 TFIIEのTFIIEβサブユニットは、1本鎖と2本鎖のDNAと結合しプロモーターメルティングに重要な役割を果たしている。今回、ヒトTFIIEβコアドメインを決定し、構造を解析したところ、2本鎖DNA結合領域を有していた。その構造はwinged helixと呼ばれる3つのα-ヘリックスと3つのβ-ストランドによる構造を取っていた。これは今まで基本転写因子TFIIFβ(RAP30)や転写制御因子HNF3γにも見出された構造であったが、これらの2本鎖DNA結合表面の裏側に相当する部分でDNA結合する新しい結合様式を有していた。 2.TFIIHのキナーゼの基質特異性及びPol IIのCTDリン酸化の転写との関連性の解析 TFIIHは、サブユニットのうちCdk7にキナーゼ活性を有する。Cdk7はCyclinH(CycH)、MAT1とCAK複合体を形成し、CAK単独ではTFIIHとは異なる細胞周期制御の機能を果たしている。そこでCAKとTFIIHとの基質特異性を調べた。すると共にCdk2、Cdk4という細胞周期の制御キナーゼをリン酸化するがCAKはCdk2、TFIIHはCdk4をより強くリン酸化した。またTFIIHのみが転写開始複合体内でPol IIをリン酸化し得ること、特にCTD領域の5位のSerリン酸化がTFIIEで誘起され転写活性と関連深いことが分った。 3.TFIIHとDNA修復関連蛋白質の相互認識機構の研究 精製した蛋白質による試験管内無細胞DNA除去修復系を構築し、クロモソーム構造を有したSV40DNA上のDNA除去修復の際にTFIIHがいかに情報認識を行なっているかを生化学的に解析している。具体的には、現在までに修復因子XPC、XPGとTFIIHとの相互作用が見い出された。更に機能的な関連性について、検討しているところである。
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