研究課題/領域番号 |
11160206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 猛 名古屋大学, 大学院・農学研究科, 教授 (10174038)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 細胞内情報伝達 / タンパク質のリン酸化 / 環境応答 / 遺伝子発現制御 / リン酸リレー |
研究概要 |
「高等植物シロイヌナズナのリン酸基受容型情報伝達因子:関連遺伝子群総合的解析」 リン酸基受容型制御因子(ARRと命名)をコードすると思われる遺伝子がシロイヌナズナに複数存在することがESTデータベースを解析することで示唆された。そこでまず手はじめに、その情報を手がかりにしてARR遺伝子群の存在の確認とcDNAのクローン化を試みた。幸いにして、5種類のARR遺伝子群をクローン化することに成功し、それらをARR3〜ARR7と命名した。これらのアミノ酸一次配列を詳細に検討したところ、リン酸基受容型制御因子に特徴的な性質を全て備えており、シロイヌナズナにリン酸基受容型制御因子をコードする遺伝子が存在することが強く示唆された。高等植物に初めて見出されたHis-Aspリン酸リレー型シグナル伝達制御因子の例である。 引き続いて、これらcDNAから得られたアミノ酸一次配列を指標にしてシロイヌナズナのゲノム配列情報をさらに詳細に検討した結果、さらに数多くのARR遺伝子が存在することが示唆された。そこで、これらの構造的特徴を詳細に検討した結果、大きく二つのタイプに分類できることが示唆された(下図に模式化した)。最初に我々がクローン化したARR3〜ARR7は全てType-Aに属することが明らかとなったので、Type-Bに属すると思われるARR遺伝子に相当するcDNAも取得することを試み、ARR10遺伝子の取得に成功した。この過程で、他の研究グループにより、ARR1とARR2に関する報告がなされた。現時点での知見を総合するとシロイヌナズナにはType-Aに属するARR遺伝子群が8種類、Type-Bに属するARR遺伝子群が8種類存在し、総計少なくとも16種類に及ぶ数多くのARR因子群が存在することが示唆された。我々は、その代表的なもの7種類をクローン化することに成功して今後の解析の基盤を整えることができたと考えている。
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