研究課題/領域番号 |
11160221
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
星川 裕 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80280626)
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研究分担者 |
芝崎 太 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90300954)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 立体構造 / 蛋白大量発現 / バキュロウイルス / アデノウイルス / HIF / T7polymerase / 分泌 / 培養方法 |
研究概要 |
蛋白の立体構造を解き明かすためには十分な質と量の確保が最も困難でかつ重要なステップである。しかし、これまでに確立された様々な方法は蛋白が本来とどめなかったり、あるいは汎用性に乏しかったりした。そこで我々は比較的簡単でかつ汎用性に富む新規蛋白発現系を昆虫細胞や動物細胞を用いて構築する試みを行っている。 1)Sf9/バキュウロウイルスベクターを用いた系 我々はこれまでにバキュウロウイルスベクターに改変を加え、細胞外に積極的に分泌させる系の構築を行った。分泌シグナルとしてハチ毒素melitinの分泌シグナルを加え、これまでにまだ構造の分かっていない転写因子HIF(Hypoxia Inducible Factor)のC末を題材に選んで大量産生を試みている。しかし、現在の段階ではある程度の発現は見られるものの構造解析に十分な量の確保には至っていない。そこで転写レベルでの向上を目的として、T7polymerase遺伝子のクローニングを行い、これらを組み込むことにより転写レベルを向上させることによる蛋白発現量の上昇を期待している。また、東北大学理学部高崎博士との共同研究により、Sf9/バキュウロウイルスベクターを用いた系(非分泌型)で転写因子ARNT産生を行い、試料の供与を行っているが、三角フラスコを用いた振とう培養で増殖可能なSf9細胞を選択したことにより、一度により大量の細胞の培養及び発現が可能となった。 2)動物細胞/アデノウイルスベクターと用いた系 これまでアデノウイルスを用いた系は非常に時間のかかる煩雑な系であった。そこでこの系をより短時間で簡便に利用可能とするための改変を行った。アデノウイルスの系は国立食品医薬衛生研究所の水口博士らにより、ウイルスゲノムを大腸菌で比較的容易に扱えるようになったが、我々はさらに改良を加えてrecombinase反応を行うことにより、one step動物細胞発現型プラスミドベクターから直接アデノウイルスに乗せ換えられるベクター系の構築を行った。このベクターには様々なプロモーターと分泌シグナルとを組み合わせて用いられる形にした。さらに現在、T7polymeraseを発現するアデノウイルスとの共感染を行うことによって、より大量の蛋白発現を期待している。 また、ホスト細胞として、より大量に適した動物細胞の検索を行う予定である。 現在上記の系の汎用についてしらべるとともに国立奈良先端科学技術大学院大学武内先生らと共にベクター構築・細胞の問題点の解決を行っている。
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