研究課題/領域番号 |
11161204
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡邉 俊樹 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30182934)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | HIV / CpGメチル化 / LPS / TNF-α / Dnmt1 / ヒストンアセチル化 |
研究概要 |
HIVの潜伏感染と再活性化におけるメチル化CpGとヒストンアセチル化制御の意義を検討した結果、以下の様な点を明らかにした。 1)transient transfection系において、in vitroでSssI methylaseによってCpGをメチル化されたHIV LTRは基礎転写活性のみならずTNF-αなどの活性化刺激に対する反応性が著しい低下を示した。 2)HIV慢性感染細胞株を用いた解析で、ウイルス遺伝子発現のレベルがLTR U3領域のCpGメチル化の程度と相関した。 3)慢性感染細胞株をTNF-αで処理してウイルス遺伝子発現誘導すると、U3領域のCpG脱メチル化が認められた。 4)HIV transgenic mouseでの各臓器におけるウイルス遺伝子発現レベルとLTR U3領域のCpG siteメチル化レベルが相関した。 5)LPS処理による脾臓細胞でのウイルス遺伝子発現誘導に伴いU3領域の一ケ所のCpG site(CREB/AP-l motif内)で特異的に脱メチル化が進行した。 6)LPSやTNF-αによる潜伏ウイルスの発現誘導には細胞周期の進行=DNA合成を必要とした。 7)HIV慢性感染細胞において、TNF-α等の刺激によりH3,H4ヒストンのアセチル化が誘導されることを染色体免疫沈降法(ChIP)で示した。 以上の結果は、HIVの潜伏感染成立におけるCpGメチル化の重要性を示すと共に、再活性化刺激が脱メチル化を誘導すること、その際にDNA合成を必要とすることから、その作用点はメチル化維持酵素Dnmtlの機能阻害であることを示している。また、再活性化に伴い、特定のCpGの脱メチル化が進行することは、全く新たな知見である。その部位がCREB/AP-l motifにあることは、再活性化にはp38MAPKの関与を示唆する結果である。
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