研究課題/領域番号 |
11161207
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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研究分担者 |
安田 二朗 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10282518)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | エイズ / トランスジェニックマウス / HIV / サイトカイン |
研究概要 |
我々は、これまでに発生工学的手法を用いて遺伝子改変したマウスを作製することにより、個体レベルでの抗エイズ薬スクリーニング系の確立を試みてきた。これまでに、サイトカイン(TNF-α,IL-1α/β,IL-6,IFN-γ)遺伝子欠損HIVトランスジェニックマウス(サイトカインKO/HIVマウス)を作出し、LPS投与によるHIV遺伝子活性化機構を解析した結果、TNF-αおよびIL-1がLPSによるHIV遺伝子活性化の主要なメディエーターであることを明らかにし、サイトカインを標的とする治療法開発に対し示唆的な成績を得た。そこで、本年度はTNF-αおよびIL-1のシグナル伝達系、特にその中でもp38MAPKの役割に注目し、解析した。その結果、p38MAPKの阻害剤がHIV活性化抑制に有効であることを明らかにした。更に、一般的な遺伝子発現制御同様、サイトカインによる転写調節にもヒストンのアセチル化やCpGメチル化の関与が示唆されていることから、サイトカインシグナル、細胞周期、脱メチル化とHIV活性化の関連についても調べた。その結果、HIV LTRに存在するプロモーター領域の脱メチル化がHIV遺伝子発現を著しく増加させることを明らかにした。従って、感染細胞におけるHIVプロウイルスのメチル化状態を上手く制御することによりHIV活性化を制御できる可能性が示唆された。 また、Cyclin T1/HIVマウスを作出し、LPS投与後の活性化を解析した結果、これまでHIVマウスでは活性化が確認されなかったリンパ節と胸腺でもCyclin T1発現によりHIV遺伝子の著しい活性化が見られた。リンパ節および胸腺におけるHIV遺伝子発現の活性化はエイズ発症との関連において注目されていることから、このマウスがHIV活性化機構の解析モデル及びHIV活性化阻害剤のスクリーニング系として有用であることが示唆された。
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