研究課題/領域番号 |
11161233
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1999年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | HIV / ケモカイン / SLC / ELC / CCR7 / CXCR4 / CCR5 / ATL |
研究概要 |
本研究はリンパ節などの2次リンパ組織で構成的に発現しているケモカイン群のHIV感染における役割を多面的に明らかにすることを目的とする。本年度の成果は以下の通りである。(1)SLCとELCはCCR7に作用してナイーブリンパ球や成熟樹状細胞の2次リンパ組織へのホーミングに重要な役割をはたすCCケモカインである。我々はSLCとELCがR5およびX4のいずれのタイプのHIV-1株に対しても活性化PBMでの増殖を促進することを見い出した。この効果の少なくとも一部はウイルスLTRからの転写促進に由来する。2次リンパ組織で構成的に発現するSLCやELCは2次リンパ組織でのHIV持続感染を促進する可能性が示された。(2)HIV-2ではコレセプター特異性を決定する領域はまだ詳細に調べられていない。そこで、X4タイプのROD株と我々が新たにR5タイプであることを明らかにしたGH-1株の間でキメラウイルスを作製し、CXCR4とCCR5に対する特異性を解析した。その結果、HIV-2でもエンブロープ蛋白のV3領域がコレセプター特異性で主要な役割をになうことを明らかにした。(3)CCR7のN末端細胞外領域に由来するペプチド(17アミノ酸)でマウスを免疫し、単クローン抗体を作製した。この抗体はヒトのCCR1〜7のトランスファクタントを用いたFACS解析から、CCR7特異的であった。ただしウエスタンブロットでは他の細胞蛋白質とも交差反応を示し、また中和活性もまかった。そこで、まずATL細胞でのCCR7の発現を解析した。その結果、正常人末梢血リンパ球と比較してATL細胞ではCCR7の発現が亢進しており、特に臓器浸潤を示す症例でCCR7の発現がさらに強かった。T細胞の2次リンパ組織へのホーミングに働くCCR7がATL細胞の臓器浸潤にも重要な役割をはたしている可能性が示された。
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