研究課題/領域番号 |
11163205
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長戸 康郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1999年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | イネ / 茎頂分裂組織 / 突然変異 / 胚発生 / 葉源基 / 葉序 / 葉間期 |
研究概要 |
shootless変異体(shl1〜shl4)は茎頂分裂組織(SAM)を完全に欠失するものであり、SHL遺伝子はいずれもSAMの分化決定に不可欠である。しかし、SAM分化後のSHL遺伝子の機能については明らかでない、そこで弱い対立遺伝子を同定する目的で変異原処理した後代をスクリーニングした。その結果SHL2座の対立遺伝子(shl2-6)を同定することができた。Shl2-6では、胚発生でSAMが分化するが、1枚あるいは2枚の葉を分化した後SAMが消失した。Shl2-6の胚でのホメオボックス遺伝子OSH1の発現を調べたところ、野生型に比べSAMの非常に狭い領域でのみ発現していた。従って、shl2-6ではSAMの中の未分化な細胞が少なく、葉原基によってSAMが消費されてしまうと考えられ、SHL2遺伝子は、SAMの分化決定だけでなく、分化後のSAMの維持にも機能していることが明らかになった。 葉原基の分化様式の制御機構を解明するために、葉序、葉間期がともに異常となるsho変異体(sho1〜sho3を解析した。sho変異体はランダムな葉序と非常に短い葉間期を示すが、その異常にはSAMの形(高さ/幅)が最も強く関係していた。また、SAMでのOSH1の発現は不規則であり、発現領域は狭くなった。SHL遺伝子は、SAMにおける未分化な細胞群の位置と数を制御していると考えられる。 葉序の異常を示すdec変異体を同定した。dec変異体では最初の3枚の葉を1/2互生で分化した後、十字対生で2、3組の葉を分化した。decのSAMの構造は異常で、対生でできた葉の葉鞘-葉身境界も異常であった。従って、葉序の決定にはSAMの構造が重要であり、葉の形態形成にSAM上での葉原基の分化位置が関係していると考えられる。
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