研究概要 |
1. 遺伝子タギング系、ジーントラップ系を用いた茎頂形態突然変異体、茎頂特異的発現を示す遺伝子のスクリーニング。 タギング系約2000ライン、ジーントラップ約8000ラインを得た。本実験系について論文にまとめた。 2. 遺伝子タギングライブラリーから得られた茎頂形態突然変異体の単離 0725091-1についてトランスポゾンは、ゲノムの特定の領域にタンデムに10個以上のトランスポゾンが挿入されている可能性が高いことがわかった。0725091-1は、茎頂分裂組織形成不全の表現型を示し、得られたトランスポゾン間領域には被子植物、裸子植物、コケで高度に保存されているORFがコードされていた。 3. ジーントラップライブラリーから得られた分裂組織特異的発現を示す遺伝子の単離 8000ジーントラップラインを解析した。昨年度得た、原糸体頂端細胞、茎頂分裂組織、原糸体頂端細胞、若い葉特異的などに特異的に強い発現の見られるラインを得た。TAIL-PCR法により原因遺伝子はRNA polymeraseIII遺伝子などであることがわかった。 4. ニセツリガネゴケHD-Zip遺伝子 9個のHD-Zip遺伝子のうち、3遺伝子は表現型が検出できず、3遺伝子は遺伝子破壊株が得られないことから致死と推定された。残りの3遺伝子についても遺伝子破壊実験を行ったがともに表現型に変化は見られない。新たにAthb8遺伝子オーソロブを単離し、遺伝子破壊、過剰発現実験を行っている。また、PpHB3,4,5,6,7,8,9の7遺伝子について恒常的過剰発現するような形質転換体を作成し、現在、安定形質転換体を得、表現型の解析中である。 5. ニセツリガネゴケMADS遺伝子 相同組換えによりPpMADS1遺伝子端末にGUS遺伝子を挿入することにより、PpMADS1遺伝子は、造精器、造卵器で特異的に発現していることがわかった。
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