研究課題
特定領域研究
平成14年度の成果は以下の通りである.1.海外出張は韓国(平成14年7月5日〜7月9日)、ドイツ(平成14年9月9日〜9月16日)、インド(平成15年1月8日〜1月15日)、それに英国(平成15年3月10日〜3月22日)の4度である。うち韓国・ドイツ出張は学会参加で、タミル原典の読み方あるいは文献学的手法の問題点について発表した。インドでは日印国交樹立50周年記念シンポジウムでわが国のインド諸文学研究の回顧と展望について発表した。英国出張では、19世紀後半からのタミル古典再発見の前後事情、あるいはそれに続くタミル語大辞典(タミル-英語辞典であることに注意)の編纂に至る経緯などを、大英図書館で調査した。2.電子テキストについては、本研究と協力関係を結んでいる研究機関から、これまでは韻律単位に区切られた原典を単語(語句)単位に区切ったものを入手していたが、本年度は同方式による新規入力分テキストのほかに、平成11〜13年度入手分テキストの3割ほどについて、韻律単位の電子テキストも入手した。3.昨年度および本年度入手分電子テキストのかなりのものについては、本邦には版本がないので校訂作業を行うことはできなかったが、ファイルごとに異なるアルファベット転写方式は昨年定めた方式に統一した。4.本年度は本特定領域の「原典班」研究集会では発表を行わなかった。他方、平成14年12月に万葉古代学研究所(奈良県橿原市)での共同研究に参加してタミル古代恋愛文学について発表し、万葉集をはじめアジア諸地域の恋歌の様式との類似性などから、タミル古代文学を考える上で、ことにその発生に関して大きな示唆を受けた。
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