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初期ギリシア文学におけるゼウスの主権

研究課題

研究課題/領域番号 11164229
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関金沢大学

研究代表者

安村 典子  金沢大学, 工学部, 教授 (20293376)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードイーリアス / ゼウス / テティス / ブリアレオス / 語りの手法 / オデュッセイア / デーモドコス / 入れ子構造 / ホメーロス風讃歌 / アポローン讃歌 / ヘルメース讃歌 / 円環構造
研究概要

『イーリアス』1巻において、女神テティスは息子アキレウスの願いを聞き入れて、ゼウスに嘆願する。『イーリアス』全24巻の冒頭をなすこの有名なシーンは、ゼウスの主権という観点から見ると、多くの問題をはらんでいる。なぜアキレウスは直接ゼウスに嘆願せず母に頼んだのか、なぜその際にアキレウスはブリアレオスなる怪物の話をもちだしたのか、なぜ弱小神であるテティスの嘆願をゼウスは聞き入れたのか、等の問題である。
これらの問題を解くには、当時の聴衆には良く知られていたとみられる、テティスにまつわるある重要な予言を考えることが不可欠である。それは、「テティスの息子はその父親を凌ぐ」という予言である。テティスのもつこの力ゆえに、ゼウスは自らを凌ぐ子供が生まれることを恐れて、この女神との結婚を諦めたのであった。つまり人間の子として生まれたアキレウスの運命は、ゼウスがその主権を保持するために企てた計画の結果であった。
本研究では、「父を凌ぐ息子」というテーマが『イーリアス』1巻の根底に流れていることを明らかにし、このテーマがいかに物語の細部にいたるまで働いているかを明らかにした。ブリアレオスの話も、この観点から明確に説明することができた。しかし、これほど主要な働きをなしている「テティスの予言」がなぜ『イーリアス』において名言されておらず、いわば「隠されたモチーフ」となっているのか、という大きな問題が残された。これに関しては今後の研究において考察を続けたい。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Noriko YASUMURA: "The Threat of Thetis"古典学の再構築研究成果報告書.

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] Norko YASUMURA: "The Second Song of Demodokos in the Odyssey 8.266-366"Studies of Language and Culture Foreign Language Institute, Kanazawa University. Vol.2. 173-194 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 安村典子: "ホメーロス風賛歌第三番『アポローンへの賛歌』におけるテュポーンの神話"西洋古典論集、京都大学西洋古典研究会. 15号. 1-23 (1998)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Noriko YASUMURA: "Imaginative Intelligence of Hermes in the Homeric Hymn IV"金沢大学文学部『文学部論集』. 19号. 141-162 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2018-03-28  

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