研究課題/領域番号 |
11164251
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
礪波 護 京都大学, 文学研究科, 教授 (10027534)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 近衛家煕 / 新井白石 / 大唐六典 / 内藤湖南 / 折たく柴の記 / 予楽院 / 京都大学附属図書館 / 近衛本 / 広池本 / 近衛文庫 |
研究概要 |
近衛家煕は江戸中期の公家として摂政、関白、太政大臣を歴任したが、その落髪後の号、予楽院でもって高からしめたのは茶道と書であった。また、有職故実に対する関心も深く、礼典儀式を究めるために『大唐六典』の欠陥を校訂することを致仕後の業としてこれを完成、薨後に刊本として出版された。 新井白石が近衛家煕に贈った、白石書写の『大唐六典』が、『折たく柴の記』に、元禄末の大地震の際の模様を書き記しVいた「手づから抄録せしものども」の中に、白石が江戸から取寄せて家煕に献上した『大唐六典』が含まれていた。「白石の-異聞に就て」と題する講演で、内藤湖南が確かめられなかった『大唐六典』の写本が、京都大学附属図書館の棚から忽然と姿を現した。この今回の発見によって、家煕は白石から贈られた嘉靖本(1544年刊)の写本に跋文を清書した上で考訂を書きつづけたことが判明した。 今回、科学研究費を与えられたので、およそ600葉の全文をマイクロ複写するとともに、家煕自身の手によって正史や社佑撰の『通典』などと対校され、朱と墨のみならず、藍色などの多色の筆づかいがなされている部分や、張り継ぎの箇所など160枚については、特にカラー撮影することができ、泥で汚れた部分を目の当たりにするという幸運にめぐり逢えた。平成11年度と12年度の両年度においては、新井白石が書写した『大唐六典』稿本の欄外に家煕自身の手によって書き加えられたり挟み込まれている文献を、一つずつ原典に当たりつつ、家煕考訂本の成立過程を追跡した。稿本のうち、巻1から巻5までと、巻30を重点的に調査してきた。
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