研究課題/領域番号 |
11164261
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
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研究機関 | 滋賀医科大学 (2000) 長崎大学 (1999) |
研究代表者 |
早島 理 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60108272)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | インド大乗仏教瑜伽行学派 / 阿含経典 / 『瑜伽師地論』 / 『顕揚聖経論』 / 「摂事分」 / ニ諦と三性説 / 盡所有性・如所有性 / 『顕揚聖教論』 / 『瑜伽論』摂事分 / 生老病死 / 対冶・同冶 |
研究概要 |
インド大乗仏教瑜伽行学派は、あまたの阿含聖典のなかから、雑阿含経典を中心に自派の思想形成の拠り所となる聖典を取捨・選択した。それらの聖典は「摂事分」として集約され継承されている。「摂事分」として聖典を継承したのは、自学派の教説こそが仏陀の直説であり、仏陀の真意を伝えるものであることを主張するためである。これらの聖典は時には、阿含経典を直接引用するかたちで、時に『瑜伽師地論』の引用を通じて、あるいは、修行体系に即して『瑜伽師地論』や『顕揚聖教論』自体が哲学的な教義解釈を施して説示される。これら聖典継承の種々のあり方を明確にすることは、聖典の現代的な継承と受容を考える上で重要な意義を有するものである。 本研究では『瑜伽師地論』「摂事分」、『顕揚聖教諭』「摂事品」を中心としたものであるが、特に『顕揚聖教論』「摂事品」、「成無性品」の解読研究を通じて、瑜伽行学派が自派の思想を確立する過程でなされた聖典の継承と受容の一端を明らかにした。 (1)『顕揚聖教諭』の解読研究を第一章「攝事品」、第七章「成無性品」を中心に進め、両章の註記付き書き下し文の草稿を作成した。さらに、『顕揚聖教論』が聖典を受容・継承し、それに依拠して自学派の教義を確立した具体例を分析し、系譜ごとに分類し提示した。 (3)これまでの解読研究から、『顕揚聖教論』は、次のように要約されよう。 (1)「聖教」とは、仏陀の直説である阿含聖典に説かれる教説である。「聖教」が直接的には『瑜伽師地論』を意味する場合でも、その背後に阿含経典が存在することが共通に理解されていた。 (2)『顕揚聖教諭』はこの学派独自の教説、三性説・識論・菩薩道を展開するにあたり、阿含経典大乗経典、さらには『瑜伽師地論』を教証とすることにより、これら独自の教説が仏陀の直説であること、換言すれば『顕揚聖教論』にとかれる瑜伽行学派の教義こそが仏陀の真意を伝えるものであることを主張したのである。この意図を明示して、この論書が「聖教」を「顕揚」する「論」と名付けられたのである。
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