研究課題/領域番号 |
11165206
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京谷 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (90153238)
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研究分担者 |
富田 彰 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (80006311)
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研究期間 (年度) |
2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 炭素材料 / 多孔質炭素 / ミクロポア / ゼオライト / フラーレン / 鋳型 / USY-ゼオライト / 炭素堆積 / フラーレンネットワーク構 |
研究概要 |
Y-ゼオライトには内径1.2nmのスーパーケージといわれるSi-O骨格で取り囲まれた空間が存在しており、サイズ的にはC60やC70などのフラーレンをこの中に1つだけ入れることができる。しかし、この空間に通じる穴のサイズ(つまり開口径)はC60のサイズより僅かに小さく、スーパーケージ内にフラーレンを入れることはむずかしい。また、スーパーケージどうしはそれより一回り小さい細孔により規則的に連結されている。そこで本研究では、Y型ゼオライトの規則的な細孔を炭素化の場として利用して、フラーレンネットワーク構造をゼオライトの細孔内に構築することを試みた。 ゼオライトとしてY型ゼオライトを用い、ゼオライト中でフルフリルアルコールを重合、炭化させた。この炭素/ゼオライト複合体に高温でプロピレンを流し、ゼオライト細孔内にさらに炭素を堆積させた。生成した炭素/ゼオライト複合体をフッ酸および塩酸で処理してゼオライトを溶解除去し、細孔内の炭素を取り出した。 Y型ゼオライトから取り出された炭素は2nm以下の細孔よりなるミクロポーラス炭素で、そのBET比表面積は1910m^2/gと非常に大きい。X線回折分析よりこの炭素が距離約1.4nmの長周期の規則的構造を有していることが明らかとなった。また、この炭素の長周期の規則的構造はY型ゼオライトの三次元状のネットワーク構造に由来していることがわかった。高分解能透過電子顕微鏡観察より、この炭素は1nm程度のクラスターが規則的に連結したものであることが示唆された。このような微細な炭素クラスターはY型ゼオライトのスーパーケージ内で生成したものであると思われるが、それがフラーレンと同様のものであるかどうかは現在のところ確認できていない。
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