研究課題/領域番号 |
11165222
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
大澤 映二 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40001763)
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研究分担者 |
小澤 理樹 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30293757)
栗田 典之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40283501)
後藤 仁志 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60282042)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
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キーワード | フラーレン生成機構 / 天然フラーレン / 石炭 / カーボンブラック / C60 / TEM / 衝撃波 / 火薬平和利用 / C_<60>生成機構 / 3次元螺旋ナノ粒子 / 多層フラーレン / 煤 / 電子線照射 / 生成自由エネルギー / 天然カーボンナノチューブ / 天然カーボンナノ粒子 / HPLC |
研究概要 |
フラーレン生成機構の解明は、フラーレン科学における最も困難な未解決問題の一つであると同時に、フラーレン炭素の工業的応用を開発するための必須要件である生産コストの引き下げを実現するための手がかりとして重要である。鋭意研究の結果、本研究費受領期間内に問題を解決し、その結果として新規なフラーレン製造法を2通り提案することができた。 出発点は中国雲南省で産出したある瀝青炭試料であった。この中には高濃度のC_<60>/C_<70>が含まれ(発掘時濃度推定値0.3%)、表面が衝撃波に曝されたことを示す証拠が3種類見出した。そのうち最も強力な証拠は煤の超微小一次粒子(直径約10nm)が大量に存在することを示すTEM写真である。これにヒントを得て高純度試料が容易に入手できるカーボンブラックを煤のモデルとして用い、これに対する超高速加熱実験を行った。実験上の都合により衝撃波を発生する代わりに高密度電子線を照射し、一次粒子が迅速に玉葱状多層フラーレンに変化することを見出した。さらに多層フラーレン構造が三次元螺旋中間体粒子を経由して生成することに気がつき、また螺旋-玉葱変換が可逆的に起こる様子を観測することができた。三次元螺旋体のモデルを考案し、その分子モデルの化学シミュレーション、また不連続体ながら数学モデルも創出した。これらの結果から多層フラーレンの雪達磨式螺旋成長機構を導いた。これらの研究の結末としてカーボンブラック製造装置(超高速乱流高熱炎に炭化水素系原料を噴射し極端時間不完全燃焼させる)をそのまま使ってC_<60>および2ないし3層ナノ玉葱状フラーレン粒子を製造する方法を着想した。 もう一つのC_<60>新製造法は、当然思いつくように、炭素に対する衝撃波照射である。原料炭素として石炭を用いれば、最も安価なC_<60>製造法となるであろう。衝撃波発生方法としては火薬の制御爆発(Cntrolled detonation)が便利であろう。基礎実験を行うことが必要であるが、衝撃管や衝撃板法を用いる予備実験は既に行われていて、有望な結果が得られている。この方法は化石燃料の使用削減(CO_2抑制)、軍事用火薬の平和目的利用として価値がある。
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