研究課題/領域番号 |
11165237
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
谷垣 勝己 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60305612)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | クラスタ / d- / f-ブロック元素 / 伝導電子 / 磁性電子 / 強磁性 / クラスレート / Si / Ge / 磁性 |
研究概要 |
フラーレン系のネットワーク物質において、IV族元素であるSi,Geから構成されるネットワーク物質は、炭素系フラーレン物質とは異なる新しい物質群として注目される物質である。本研究課題では、20面体と24面体Si系ネットワクーク系物質において、初めて磁性元素であるd-およびf-ブロック元素を導入した、クラスタネットワークを基本とする新しい磁性物質を設計して、その合成に世界ではじめて成功した。これらの物質は、組成比を正確に制御して混合した原料を、高周波加熱ならびにアーク溶解を繰り返す事により、極めて高精度に制御して合成する事ができる。放射光施設を用いて行った構造解析によると、d-ブロック元素の一つであるMnは、20面体クラスタを結合する結晶サイト(6c)に導入され、f-ブロック元素の一つであるCeは、24面体クラスタの内部に内包フラーレンクラスタの形で包含される。内包現象により外界から保護されて、これらの新しいクラスタ系物質は、3次元インターカレーションとして合成される炭素系フラーレン固体と比較すると極めて安定である。 合成された物質の中で、Ce_2Ba_6Au_4Si_<42>およびBa_8Mn_2Ge_<44>の物質は、それぞれ6Kおよび10Kで自発磁化を伴う強磁性相転移を生じる。この機構は現段階では明白ではないが、Baから導入されたクラスタネットワーク全体に広がる伝導電子と新たに導入されたd-およびf-ブロック元素に由来する磁性電子の相互作用を媒介して、電子スピン配列が生じているものと考えられる。これらの新しい磁性クラスタネットワーク物質は、ナノ領域のサイズから種々の物性パラメターを変化する事ができるナノ材料であり、将来の展望が大いに期待される。
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