研究課題/領域番号 |
11166213
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
時田 澄男 埼玉大学, 工学部, 教授 (20008866)
|
研究分担者 |
太刀川 達也 埼玉大学, 工学部, 助手 (20251142)
野口 文雄 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40008842)
|
研究期間 (年度) |
1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | PPP分子軌道法計算 / New-γ / 電子スペクトル / absolute hardness / acenoquinone / anthraquinone |
研究概要 |
新しい2中心電子反発積分としてnew-γを用いたPPP分子軌道法計算における実測値の再現性の高精度化を目的とし、para-acenoquinone類、置換anthraquinone類の電子スペクトル計算を行い、以下の結果を得た。new-γにおけるspectro-chemical softness parameter kの導出には、absolute hardness(η)を指標に用い、k_<HMO>=0.33/η_<HMO>+0.58、k_<PPP>=6.19/η_<PPP>+0.58の両式を採用した。 実測値の再現性は、従来法であるN・M-γを用いた場合より、飛躍的に向上した。また、PPP MO法ベースのabsolute hardnessを用いた場合の方が、HMO法をベースとした場合より、実験値をよく再現しており、新しいクロモフォアの開発に有用であることが明らかとなった。 HMO法で用いるパラメ-タには任意性があり、計算されたabsolute hardnessは用いたパラメータへの依存性が高い。それに対してPPP MO法では、パラメータには任意性があるものの、それらの一部はvariable β,γ法を含むSCF繰り返し計算の中で適性に補正され、パラメータへの依存性が下がり、より適正なものになっていると考えられる。炭素原子だけを考慮すればよいPAHsの場合は、本来設定したクーロン積分αと共鳴部分βを用いているため問題ないが、para-acenoquinone類のようなヘテロ原子を含む系のabsolute hardnessを計算する場合は、半経験的(もしくは非経験的)MO法を用いる方が適切と考えられる。 そのことを立証するために、置換基としてヘテロ原子を含むanthraquinoneの1置換、2置換誘導体について同様の検討を行った。その結果、η_<HMO>はη_<PPP>ほど置換基の影響を受けない。つまり、置換基が吸収エネルギーに与える影響の大きさを見積もるためにはPPP MO法程度の近似が必要であることがわかった。
|