研究課題/領域番号 |
11166214
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高塚 和夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (70154797)
|
研究分担者 |
牛山 浩 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302814)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
38,400千円 (直接経費: 38,400千円)
2001年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2000年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1999年度: 15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
|
キーワード | 量子カオス / 半古典理論 / クラスター / メゾスコピック系 / 分子振動 / プロトン移動 / 表面化学反応 / セルオートマトン / パターン形成 / カオス / 複雑性動力学 / 分子動力学 / 非線形力学 |
研究概要 |
本研究では、「多チャネル・高エネルギーの化学反応のダイナミクス」を、動力学における複雑性が典型的に表れる対象と捉え、新しい化学反応理論を構築する立場からその解明を行っている。多チャネル・高エネルギーの化学反応は、少数の遷移状態が速度過程を決めるのではなく、カオスによる混合性とその階層構造によって時系列データが決められる反応のことである。これに関連して,多くの成果を得ている。本年度の研究成果として、特筆すべきことをは、以下の通りである。(1)1970年ごろに発見された、化学反応における生成物分布に関する経験則である、線形サプライザルを、統計理論の観点から根拠付けることに成功し,その新しい性質を予測した。従来、線形サプライザルの成立根拠は明らかではなく、情報理論(最大円トロピー原理)によって曲りなりの説明がなされていた。(2)構造転移のスペクトルを計算するためには多次元カオスの量子化が必要であるが,従来の理論に依っていては全く不可能であった。そこで、新しい半古典理論を構築し、その数値的検証を行った。その結果、極めて精度よく、従来不可能であった量子化が可能になった。これは量子カオスの歴史上、画期的な成果である。量子カオスと分子振動論において、新しい研究分野が開けたと言ってもよい。(3)非断熱遷移による真の意味の量子カオスの同定に成功した。(4)蟻酸二量体の二重プロトン移動のメカニズムの解明を行った。(5)温度の時空間揺らぎをあらわに考慮した結合セルオートマトンを構築し、表面化学反応の形態形成とその制御の研究を行った。
|