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溶液反応における超高速ダイナミクスの分光計測

研究課題

研究課題/領域番号 11166218
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関東京大学

研究代表者

岩田 耕一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90232678)

研究期間 (年度) 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード溶液 / 化学反応 / フェムト秒 / 近赤外 / S_n-S_1吸収 / エネルギー移動 / 分子運動 / 時間分解
研究概要

研究代表者らは、平成11年度に本特定領域研究の科学研究費補助金を受けてフェムト秒時間分解近赤外分光計を製作した。この分光法で必要となる400nmのポンプ光パルスおよび近赤外領域のプローブ光パルスは、チタンサファイアレーザーを基本とするフェムト秒レーザーシステム(東京大学に既設)の出力を波長変換することによって得た。本補助金で新たに購入した回折格子を用いることによって、従来紫外・可視領域で利用していた分光器を近赤外領域でも使用可能なように改造した。また本補助金で新たに購入した電子冷却型InGaAs検出器を用いることによって、近赤外領域での光の検出を可能にした。
上記のような過程を経て、波長1000nmから1300nmの領域で10^<-2>程度の吸光度変化の検出が可能なフェムト秒時間分解近赤外分光計を製作することができた。この測定システムを用いて9,10-ジシアノアントラセンのフェムト秒過渡近赤外スペクトルを測定し、1250nm付近に明瞭なS_n-S_1吸収バンドを観測することに成功した。この吸収バンドの立ち上がりが200フェムト秒以下であることを確認した。
本研究で、研究代表者らは、フェムト秒時間分解近赤外分光システムを製作するという所期の目的を達成した。近赤外領域の超高速分光法が化学の分野で利用された例は、これまでにほぼ皆無である。しかし、この分光法がもたらす実験結果は、分子間エネルギー移動と反応分子同士の相対的運動に関する独自の情報を含むと期待される。来年度以降は、製作したフェムト秒時間分解近赤外分光システムを利用することによって、溶液中での多数の分子の動力学に関する新たな描像を獲得し、溶液中での化学反応に関するより一層精密で一般的なモデルを構築することを目指す。

報告書

(1件)
  • 1999 実績報告書

URL: 

公開日: 1999-04-01   更新日: 2018-03-28  

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