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遷移金属イオン無機配位化合物の反応性と電子状態に関する理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11166225
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関岐阜大学

研究代表者

和佐田 裕昭  岐阜大学, 地域科学部, 助教授 (90240796)

研究期間 (年度) 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード分子軌道法 / 溶媒交換反応 / 第一遷移系列金属 / 七配位状態 / 遷移密度 / 3d電子
研究概要

本研究では、第一遷移系列金属イオンの配位化合物の反応性を解明するために、イオン結合性が強い配位化合物の反応を対象とした。本年度は、特にアンモニア交換反応に焦点を当てて研究を行った。
カルシウム(II)、スカンジウム(II)およびチタン(II)の場合は、七アンモニア和状態はエネルギー極小状態である。これは、d^0、d^1、d^2のときには、非結合性軌道までしか占有されず、一方、これらの軌道に対応した結合性軌道は常に占有されているためである。ところが、さらに一個電子が多いバナジウム(II)になると、反結合性軌道が占有されるため、七配位状態の性格が変わり遷移状態となる。占有された反結合性軌道と金属原子の4s軌道との間での遷移密度が生じるが、これは遷移ベクトルと同じ対称性を持っており、このような変形によってエネルギーが低下する。すなわち、[V(NH_3)_7]^<2+>では、七配位状態がもはやエネルギー極小構造としては不安定となる。さらに、電子が一個多いクロム(II)になると、もう一種類の半結合性軌道が占有されるため二次の遷移状態となる。
それぞれのイオンで、水和物の場合とアンモニア和物の場合とを比べると、反結合性HOMOを持つ場合には、アンモニア和系の方が七配位状態からの分子構造変化による安定化の効果が大きい。
これらの結果より、配位に関与する分子軌道の軌道エネルギーを下げる効果を持つ基を配位子に導入すれば、溶媒交換反応の反応機構を支配する七配位化合物を安定させることができるものと考えられ、反応を制御する手がかりが得られる。

報告書

(1件)
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Y. Inada: "Solvation Structure of Solvated Cu(I) Ions in Non-Aqueous Solvents as Studied by EXAFS and ab initio Molecular Orbital Methods"Zeitschrift fur Naturforschung. 54b. 193-199 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 和佐田裕昭: "分子軌道法計算 -Gaussian94を利用して-(その5)"名古屋大学大型計算機センターニュース. 30. 16-38 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] Y. Tsutsui: "Reaction Mechanism of Water Exchange on Di-and Trivalent Cations of the First Transition Series and Structural Stability of Seven-Coordinate Species"THEOCHEM. 461/462. 379-390 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] S. Yamamoto: "Ab inito MO study on the potential energy surfaces for twisting around C11=C12 bond of protonated Schiff base of retinal"461/462. 463-471 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 和佐田裕昭: "化学環境を見直そう -分子軌道法的見方"東京ブックレット. 26. 47-57 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2018-03-28  

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