研究課題/領域番号 |
11166247
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
相田 美砂子 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90175159)
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研究分担者 |
青木 百合子 広島大学, 理学部, 助教授 (10211690)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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キーワード | ab initio MD法 / QM / MM法 / 水和エネルギ / 非経験的分子軌道法 / 水素結合 / 特異的認識反応 / 核酸塩基 / 蛋白質 / 水和エネルギー / 加水分解反応 / 分子動力学法 / MM-vib法 / 生体高分子 / 特異的相互作用 / 水クラスター / 溶液内反応 |
研究概要 |
巨大な生体高分子や溶液内において進行する化学反応のメカニズムを明らかにするために、非経験的分子軌道法に基づいたアプローチをすすめた。 1.核酸の塩基配列の蛋白質アミノ酸側鎖による特異的認識は、遺伝子の発現・制御において中心的な役割を果たしている。しかし、その特異的認識の分子機構についてはまだ明らかになっていない。そこで、非経験的分子軌道法計算によって導出したポテンシャルを使用し、アミノ酸側鎖(ナスパラギン、セリン)-核酸塩基対間相互作用の自由エネルギー、エンタルピー、エントロピー、エネルギー変化を求めた。導出したポテンシャルを用いて大規模サンプリングすることによって、アミノ酸側鎖-核酸塩基相互作用のローカルミニマム構造を得ることができた。これらの構造は、非経験的分子軌道法を用いて最適化した構造とほぼ一致した。このことは、この手法を用いて重要な特異的相互作用形式を網羅できる可能性があることを示唆している。アスパラギンとセリンの場合には、実測で得られているアミノ酸側鎖-核酸塩基相互作用の構造形式は、安定な水素結合対に基づいて形成されていることを明らかとした。 2.生体における反応は水溶液中において進行している。そこで多数の溶媒分子を反応系にあらわに考慮に入れることのできる手法(QM/MM法)を用いて、水溶液中における分子の安定構造は気相中と異なるのかどうか、また、そこでは溶媒分子がどのように関与しているのか、さらに、反応が進行する場としてどの程度の数の溶媒分子を考慮に入れる必要があるのかについて解析した。その結果、気相中における安定構造は、水溶液中においては安定構造ではなくなる場合があることが明らかとなった。そこでは、溶質と溶媒との間の水素結合、およびそれを支えている水分子間の水素結合ネットワークをあらわに考慮に入れることが重要である。
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