研究課題/領域番号 |
11166250
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 (2000-2001) 九州大学 (1999) |
研究代表者 |
時任 宣博 京都大学, 化学研究所, 教授 (90197864)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
28,500千円 (直接経費: 28,500千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 20,500千円 (直接経費: 20,500千円)
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キーワード | 立体保護 / ジシリン / ジリチオシラン / ジリチオゲルマン / シラシクロプロパベンゼン / ゲルマシクロプロパベンゼン / 9-シラアントラセン / 2-シラナフタレン / 速度論的安定化 / 2-ゲルマナフタレン / 芳香族化合物 / ジリチオスタンナン / ゲルマニウム |
研究概要 |
本研究は立体保護を用いて新規高反応性化学種を安定な化合物として合成単離し、その性質を理論計算を併せ用いることにより解明することを目的としている。当初の目的の一つであったケイ素-ケイ素三重結合化合物の合成は未だ検討中であるが、申請者らがこれまで種々の高反応性化学種の安定化に応用してきた有用な立体保護基である2,4,6-トリス[ビス(トリメチルシリル)メチル]フェニル(Tbt)基を活用して、1)新規な含高周期14族元素高歪み化合物であるメタラシクロプロパベンゼンの合成、および2)新規な含高周期14族元素芳香族化合物である2-ゲルマナフタレンおよび9-シラナフタレンの合成に成功した。 1)Tbt基と2,6-ジイソプロピルフェニル(Dip)基とを有するジリチオメタラン[Tbt(Dip)MLi_2:M=Si, Ge]とo-ジブロモベンゼンとを反応させることで、メタラシクロプロパベンゼン[1:Tbt(Dip)MC_6H_4:M=Si, Ge]を得た。1についてX線結晶構造解析によりその分子構造を詳細に検討し、メタラシクロプロパベンゼン骨格が理論計算により求められた母核のメタラシクロプロパベンゼンの構造とほぼ等しいこと、メタラシクロプロパン環とベンゼン環が同一平面上にあること、そしてシクロプロパペンゼン骨格よりも歪みが小さいことを明らかにした。 2)Tbt基を有する9-シラナフタレンおよび2-ゲルマナフタレンを安定な化合物として初めて合成単離することに成功した。これらの性質について、各種スペクトル、X線結晶構造解析、理論計算を用いて検討を行い、9-シラアントラセン環および2-ゲルマナフタレン環は完全に平面であり、これらの化合物が芳香族化合物であることを明らかにした。また、これらの化合物がSi=CまたはGe=C二重結合化合物としての反応性を示すことを明らかにした。
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