研究課題/領域番号 |
11166253
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
榊 茂好 熊本大学, 工学部, 教授 (20094013)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
46,400千円 (直接経費: 46,400千円)
2001年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
2000年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1999年度: 23,500千円 (直接経費: 23,500千円)
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キーワード | 電子状態計算 / 触媒サイクル / 反応機構 / 錯体触媒反応 / C-H結合活性化 / 二酸化炭素固定化反応 / 複合電子系 / 遷移金属錯体 / 遷移金属錯体触媒 / ヒトロシリル化反応 / シラノン / メタセシス / σ結合活性化 / 計算化学 / 遷移状態 / シグマ結合活性化反応 / ヒドロシリル化反応 / Ab initio計算 / 金属-ホウ素結合 / 14族元素分子 / 有機ホウ素分子 / πアリル錯体 / ヘテロリテイック活性化 / 酸化的付加 |
研究概要 |
遷移金属錯体によるオレフィンのヒドロシリル化反応は典型的な錯体触媒反応であり、触媒サイクルにSi-H結合の酸化的付加、M-HあるいはM-SiR_3結合へのオレフィンの挿入反応、C-HあるいはG-Si結合の還元的脱離反応を含んでいる。これらの反応過程に含まれる全ての中間体、遷移状態の構造とエネルギー変化を理論計算により求め、白金(O)錯体触媒の場合、Chalk-Harrod機構で、ロジウム(I)錯体の場合はmodified Chalk-Harrod機構で進行することを明らかにした。また、ジルコニウム(II)錯体の場合は、Chalk-Harrod機構と共に、ジルコニウム(II)オレフィン錯体がメタセシス的にヒドロシランと反応する新しい反応磯構でも進行すること、これらの金属による相違は中心金属のd電子数、d軌道のエネルギー準位によるものであることを明らかにした。また、酸化的付加反応によるhomolyticなC-H結合活性化に関する理論的研究に比べ、検討例の乏いheterolyticなC-H結合活性化反応、白金(II)およびパラジウム(II)錯体によるメタン及びベンゼンのC-H結合活性化反応の理論的検討を行い、反応に含まれる中間体、遷移状態の構造とエネルギー変化を理論的に計算し、これらのC-H結合活性の駆動力は配位子であるカルボン酸アニオンとのO-H結合形成によること、ベンゼンのC-H結合活性化にはパラジウム(II)錯体が適しており、メタンのC-H結合活性化には白金(II)錯体が適していることを明らかにした。さらに、ルテニウム(II)錯体による二酸化炭素の水素化反応に関する理論的研究を行い、触媒サイクルが、ルテニウム(II)-ヒドリド結合への二酸化炭素挿入、生成したルテニウム(II)-ギ酸アニオン錯体の異性化、その水素分子とのメタセシスで進行すること、O-H還元的脱離過程は含まれないこと、メタセシスの遷移状態は6中心型であることを明らかにした。
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