配分額 *注記 |
11,500千円 (直接経費: 11,500千円)
2001年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2000年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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研究概要 |
1.重原子系電子状態理論の研究のために、スピン軌道(SO)相互作用を含むCI法の定式化を完成させ、Columbusシステムに組み入れた。特に、ユニタリー群、時間反転対称、二重点群など種々の群論的方法を用いて、高い効率を得ることに成功した。またSO相互作用を含むSCF法とMCSCF法を開発し、様々な原子、イオンに応用し、波動関数のLS, jjなどの結合様式を調べた。また第6周期元素でも、原子価殻の記述にはLS結合による配置間相互作用によって、十分な計算精度が得られることを明らかにした。 2.Cl_2分子のSOCI計算により、R=6 Bohrの遠距離において、Ω=1u状態間の非断熱過程がRosen-Zener-Demkov(RZD)型に従うことを示し、このモデルにより、微細構造分岐比、分解生成物の異方性パラメータ、生成Cl^*の全角運動量J=1/2のorientationが示す量子力学的干渉効果など実験値と良く対応する結果を得た。HCl分子について、その非断熱過程は、塩素分子と同様に、RZD型であり、また異方性パラメータの波長依存性を正確に表現するためには、コリオリ相互作用が重要であることを明らかにした。 3.O_2分子のHerzberg吸収帯における振動・回転吸収強度を、SOCI法による電気的遷移モーメントおよび軌道角運動量の行列要素を使って求めた。その結果、非常に弱い吸収であるにもかかわらず、良好な結果を得た。生成物の異方性パラメータについては、Parkerらの実験結果を支持する結果を得た。生成物の各SO準位への分岐比については、分子間距離の長い領域で多準位多段階の非断熱遷移が重要な寄与をしていることが分った。 4.その他に、ICL, I_3^-,Xe+I_2,HgCO, HgAr,ランタノイドイオン,遷移金属ベンゼン錯体などへの応用を行った。
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