研究課題/領域番号 |
11166268
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 宇宙科学研究所 |
研究代表者 |
崎本 一博 宇宙科学研究所, 共通基礎研究系, 助手 (60170627)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 量子反応動力学 / 分子衝突 / 三体結合反応 / 解離反応 / 三体の連続状態 / 気体の凝縮 / 反陽子 / 電離 |
研究概要 |
本研究では、三体結合反応を研究するために、逆過程である衝突解離反応について調べた。衝突解離反応だと、反応前において二体衝突なので、理論的にはこの方が扱いやすいからである。詳細釣り合いの原理に従えば、順過程・逆過程では区別することなく同等に考えることができる。 一自由度(分子間距離の動経方向)のみを古典的に扱い、それ以外の全ての自由度は量子力学で扱う半古典論を導入し、その中で厳密に解くことを行った。これにより、全ての回転・振動・解離運動についての量子動力学を正しく考えることができた。 この半古典論をHe原子と水素分子の衝突に適用した。波束の時間発展を見ることにより、Heの衝突により分子の連続状態一束縛状態間の遷移がどのようにして起こるかを詳しく知ることができた。また、連続一束縛状態間遷移で分子の回転共鳴状態が関係していることを発見した。これは、非直接三体結合に対するものである。この共鳴状態がどのくらい三体結合に寄与しているかは今後非常に興味のある研究課題である。 さらに、本手法をクーロン力の問題にも適用した。反陽子と水素原子というエキゾティック粒子の衝突による電離過程を調べた。普通の原子分子系と違い、負電荷の反陽子がある距離(0.639bohr)以下に近づくと断熱(ボルンオッペンハイマー)的な電子束縛状態は存在しなくなる。このため、低エネルギー衝突でも大きな電離断面積を持つ。このような場合には、衝突過程を記述するのに分子的描像は成り立たず、量子化学手法が役に立たない。本手法では、衝突の間の電子の運動を直接解くことをしているため、このような場合も問題なく調べることができる。 半古典論により、数値計算の労力はかなり軽減された。しかし、低エネルギーで古典的と置くことに問題があるし、半古典論には各チャネルごとにエネルギー保存が満たされないという欠点があり、敷居値側を正しく記述できない。これらの問題点については今後考えていきたいと思っている。
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