研究課題/領域番号 |
11167236
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
北野 博巳 富山大学, 工学部, 教授 (40115829)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | イニファーター / プロックポリマー / 自己組織化単分子膜 / レクテン / ブロック共重合体 / 情報応答 / 触媒活性 |
研究概要 |
機能性テロマーをブロックで導入することにより、各ブロック同士の協奏作用を検討することは材料の高機能化を目指す上でも重要である。本研究では、金属などの固体表面へのブロックポリマー集積膜の構築による情報応答機能の付与と触媒機能の制御を検討した。 重合開始、連鎖移動、停止反応を行うイニファーター基を両端に有するジスルフィド化合物を合成し、この化合物を用いる光重合により得られたブロックポリマーを金属表面に導入し、高分子集積膜の構築を試みた。具体的には、メタクリル酸、および糖担持ビニルモノマーをブロックとして有するポリマーを金または銀表面に導入した。 ブロックポリマーで修飾した金属表面の接触角やζ-電位を検討したところ、pH依存性が見られた。また、修飾銀コロイドについて、そのコロイド安定性をするために臨界凝集濃度(CFC)を求めた。ポリマーを導入した銀コロイドでは、無修飾銀コロイドのCFC以上の濃度のNaCl水溶液中でも凝集は全く起こらず、ポリマー鎖が銀コロイド表面に化学吸着することにより、大きな保護効果を示すことがわかった。さらに、ブロックポリマー修飾銀コロイド溶液の濁度は、加えたレクチンの濃度増加に従い上昇し、低分子糖(MeMan)添加後に激減した。MeManにより凝集が阻害されることや、あらかじめ凝集したコロイド粒子がMeManにより再分散することから、糖担持ビニルモノマーブロックとレクチンとの特異的相互作用が確認された。このように、金属の表面にポリマーブロックを導入することで、さまざまな化学的刺激あるいは生体内物質に対する応答を示す分子シンクロナイゼーション材料の構築が可能であることが示された。
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