研究課題/領域番号 |
11167242
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
長村 利彦 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (90117200)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 複素屈折率変化 / 空間光変調器 / 光誘起電子移動 / 4,4′-ビピリジニウム / イオン対電荷移動錯体 / フェムト秒レーザー / 過渡吸収スペクトル / 高速空間光変調器 / 光励起 / フタロシアニン / 励起三重項 / フォトクロミック色素 / 空間分解能 |
研究概要 |
我々の提案している導波モード薄膜の光励起あるいは光反応による複素屈折率変化に基づく新しい空間光変調器において、今年度は、光応答性薄膜として光誘起電子移動によって可視域にサブピコ秒で立ち上がり、10ピコ秒程度の時定数で減衰する過渡吸収を示す4,4′-ビピリジニウム・ヨージドのイオン対電荷移動錯体高分子を主に用いて、フェムト秒レーザー励起による応答を検討した。空間分解能や回折効率などの性能については、安定なフオトクロミズムを示すスピロピランを導波層に用いて検討を行った。 50nmの金膜上にこの高分子薄膜をスピンコートして作成した導波モード配置でプローブとしてHe-Neレーザー(632.8nm)、書き込み光として400nmのフェムト秒レーザーを用いて、プローブ光反射強度の時間変化が光電子増倍管とデジタルオシロスコープで観測された。632.8nmでは、過渡吸収スペクトルおよびそのKramers-Kronig変換から複素屈折率の実部、虚部とも増加することがわかっている。レーザー照射前は全く吸収がないので、レーザー励起に同調して導波モードによる反射率ディップが増加し広角度側に動く。これにより反射強度が増加する。その立ち上がりは、測定系の時間分解能の1ns程度で、光誘起電子移動による過渡吸収に対応した。しかし、減衰の時定数は約3μsと現在最先端の多重量子井戸空間光変調器と同程度であり、過渡吸収から期待される値よりずっと遅かった。さらに詳しい検討が必要である。
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