研究課題/領域番号 |
11167254
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉浩 徳島大学, 工学部, 教授 (40192497)
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研究分担者 |
小出 隆規 徳島大学, 工学部, 助手 (70322253)
川添 直輝 徳島大学, 工学部, 助手 (90314848)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高分子電解質 / 高分子ブラシ / 自己集積化 / 多孔性膜 / 物質透過制御 / インテリジェント材料 / 刺激応答性 / DDS / 核酸 / ポリペプチド / 物質透過性 / 孔径制御 |
研究概要 |
ポリアクリル酸の側鎖に種々の割合でシステアミンを結合したチオール含有高分子電解質を合成した。この修飾ポリアクリル酸を金を被覆した膜の上に自己集積化した。自己集積化の程度は表面プラズモン共鳴法により測定した。まずポリアクリル酸にチオール基を導入することでポリアクリル酸が自己集積化できることがわかった。また、修飾ポリアクリル酸水溶液濃度が高くなるほど、自己集積化量が増加し、ある濃度以上では一定になることがわかった。そして、この飽和集積化量は、チオール含有量の少ない修飾ポリアクリル酸ほど高いことがわかった。これは、チオール含有量が少ないほど金表面との結合点が少なく、そのため集積化の際の表面占有面積が少なくなりより多くの修飾ポリアクリル酸を集積化できるためのと考えられた。また、集積化量は、水溶液のpHやイオン強度にも依存した。低pHで集積化した場合には、集積化の際に高分子電解質が収縮しているために、占有面積が少なく、より多くの高分子電解質を集積化できた。 次ぎに、このような集積化を多孔性膜上で行い、膜のpHに応答した物質透過性を調べた。低pHでは、ポリアクリル酸がプロトン化され、収縮して、孔を広げ、水透過性が高くなったが、中性pHでは、イオン化され、鎖が伸展して孔を塞ぎ、水透過性を減少させた。この刺激応答性は、集積化膜によって相違が見られた。集積化度が非常に低い場合には、殆どこの刺激応答性は観測されなかった。一方、集積量が多くなりすぎると、表面での高分子の動きが制限され、刺激応答性は減少した。中程度の集積量で最も高い刺激応答性が観測された。このように集積度の調整により水透過の刺激応答性を制御することができた。また、DNAやポリエチレングリコールの透過性についても検討した。
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