研究課題/領域番号 |
11167278
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 高広 理科大, 基礎工学部, 助教授 (60281747)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 水酸アパタイト / リン酸三カルシウム / 生体材料 / 骨芽細胞 / 繊維芽細胞 / 表面微細構造 / カルシウム富化層 / バイオセラミックス |
研究概要 |
骨や皮膚などの移植材料表面を分子設計することにより、生体組織との接触面における分子シンクロナイゼーションを誘起し、治療効果を高める人工材料を開発することを目的としている。これまでに、疑似生体液中におけるリン酸カルシウム系セラミック材料の表面の溶解性や結晶構造の変化が、骨芽細胞の成育と機能発現に対し影響を与えていることを見い出した。 新生仔ラット頭蓋骨から分離した骨芽様細胞の成育と付着に対する生体適合性セラミックスの効果を調べた。水酸アパタイト(HAP)とβ-リン酸三カルシウム(TCP)の組成比を変化させCa/P比を1.50、1.55、1.60、1.64、1.67と段階的に調製した複合焼結体を担体として、骨芽様細胞とマウス繊維芽細胞(L-929細胞)を培養した。その結果、骨芽様細胞は100%HAP上で細胞密度がLUXやジルコニア担体上よりも大幅に増加した。そこで、TCP-HAP担体表面のCa/P比の経時的な変化を解析したところ、各担体表面のCa/P比は血清添加培地中で徐々に増加していることが分かった。また、この表面微細構造の変化を詳細に解析したところ、担体表面において新規なアパタイト結晶の生成は認められず、主に炭酸カルシウム等の析出によりカルシウム富化層が形成されていることが示唆された。これらの結果から、100%HAPの表面はカルシウム富化層を形成しやすく、一方、100%TCPの場合には、他の担体よりも溶解性が高いために表面微細構造の変化を促進し、その結果100%HAPと同様に細胞と担体の接触界面にCa富化層を形成し骨芽細胞の成育に効果的であることが分かった。 上記の結果に基づき、多孔質水酸アパタイトを製造し、マクロファージと骨系株化細胞の培養を行い、リン酸カルシウム系セラミックスの表面立体構造や結晶構造が細胞の生理機能に与える影響を解析している。
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