研究課題/領域番号 |
11168215
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
尾崎 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90194539)
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研究期間 (年度) |
1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 小胞輸送 / Rab / ニューロン / 微小脳 / 視細胞 / ショウジョウバエ / エンドサイトシス |
研究概要 |
脳の分化や記憶などに伴うニューロンの構造・機能変化において、小胞輸送・リサイクリング系が果たす役割を明らかにするとともに、これらを阻害することによって起こる脳機能の欠失や行動の異常から、脳における神経回路網の設計、機能様式を解明することを目的に研究を行っている。今年度は、神経細胞の中でも極性構造が明瞭で扱いも容易な視細胞をモデルとして選び、その細胞内小胞輸送・リサイクリング系のマップを作成することを試みた。そのために、これまでに我々がクローニングした各種RABの変異蛋白質を発現するハエを作成し、小器官特異的に小胞輸送を阻害した結果起こる蛋白質輸送および細胞の微細構造の異常を観察した。その結果、(1)Rab2変異体では色素顆粒形成の阻害が起こり、RAB2がendosome-lysosome系に関与していることが示された。(2)RAB5は細胞体部分でのエンドサイトシスに関与することが示された。しかし、シナプス小胞の代謝においては、リサイクリング系には関与せず、小胞の新生、輸送に関与する可能性が示唆された。(3)RAB11は感桿分体の左右両端に局在し、受容膜方向への輸送の最終段階に関与することが示唆された。(4)Rab6変異体では、視物質輸送の遅い段階が阻害され、RAB6がゴルジ体-受容膜間の輸送に関与することが示唆された。以上の結果から、視細胞、特にその細胞体部における小胞輸送経路図について、その概容が明らかとなった。また、今後、一般の神経細胞における小胞輸送系を調べる上で、樹状突起方向への輸送阻害にはRAB2の、軸策方向への輸送阻害にはRAB3およびRAB5の、また、シナプス小胞のリサイクリングの阻害にはSHIBIREの変異体が有用であることが示唆された。現在、これらの変異蛋白質を時間、場所の両者を制御して発現させる系を構築中である。
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