配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
2001年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2000年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1999年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
|
研究概要 |
高度な社会性をもつミツバチの学習能力の発達メカニズムとその可塑性について,加齢,ホルモン,社会的刺激の影響を解析した. ・連合学習系を用いる一連の解析を行い,性による学習能力発達時期の違い,およびこれを促す要因としての若齢期の社会的刺激の重要性を明らかにした。 ・次いで,コロニー内で正常に加齢を重ね,種々の刺激・経験を積んだハチと,定温器内の人工環境下でそれらが制限されたハチとの間で,脳内部分構造の占有容積の違いを準超薄連続切片法により比較した結果(福岡大岩崎雅行氏らとの共同研究),触角葉およびキノコ体内のいくつかの部位で,顕著な定量的相違が認められた。 ・幼若ホルモンの血中濃度の上昇が,間接的に学習能力の発達に顕著に促進的に働くことを証明した。 ・BrdUによる免疫組織化学により,ミツバチとマルハナバチの働き蜂と女王蜂との間での,キノコ体ケニオン細胞の新生のパタンを比較し,ミツバチの女王蜂でそれが早期に起こっていることを明らかにした。 ・マルハナバチのサーカディアンリズムが,複眼に高照度の光が当たった場合にマスクされる現象について,ノルウェー北極圏(北緯70度)での野外調査を実施した。白夜の下,ハチは真夜中でも訪花活動を行っており,マスキングが起こる閾値照度も日本産のものより低かった.この現象が高緯度地方の短い夏の極端な長日条件に対する適応であることを実証した。
|