研究課題/領域番号 |
11169204
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
濡木 理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10272460)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
32,700千円 (直接経費: 32,700千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2000年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1999年度: 20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
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キーワード | 遺伝情報変換 / タンパク質合成 / アミノアシルtRNA合成酵素 / トランスファーRNA / RNAの転写後修飾 / DNA複製 / X線結晶構造解析 / 蛋白質合成 / RNA転写後修飾 / RNAスプライシング |
研究概要 |
本研究の目的は、遺伝情報の変換過程(複製、転写、翻訳)に携わる酵素およびRNAの高次構造を決定し、生物マシーナリーとしての動作機構を解明することにある。本年は、まず超好熱古細菌Methanococcus jannashii由来のチロシルtRNA合成酵素(TyrRS)とtRNA^<Tyr>とL-チロシンの複合体の結晶構造を2.0解能で決定し、真核型TyrRSによるtRNAの認識機構を解明し、さらにアンバーサプレッサーtRNA^<Tyr>を効率よくチャージするTyrRS変異体をデザイン、調製することに成功した(論文投稿中)。本古細菌のTyrRSは、大腸菌のtRNA^<Tyr>とクロスリアクトすることがないため、本TyrRSとアンバーサプレッサーtRNA^<Tyr>を大腸菌内で発現させることによって、アンバー終止コドンに21番目の非天然型アミノ酸を取り込ませることが本研究により可能になった。さらに、大腸菌由来TyrRSに2つの変異を入れることによって3-ヨードチロシンをtRNA^<Tyr>にチャージする変異体TyrRSを作り出すことに成功し、この変異体TyrRSと3-ヨードチロシンとの複合体の結晶構造解析を行い、変異体TyrRSが非天然型アミノ酸を認識する構造的基盤を明らかにした。tRNAの3ユ末端のトリミングを行うRNase PHの結晶構造を2.7解能で決定し、3ユ末端のCCA配列直前まで正確に削りこむ機構を推定した(論文改訂中)。また、古細菌由来のクラスICCA付加酵素の結晶構造を2.0解能で決定し、CCA付加酵素の分子進化機構を解明した(論文準備中)。tRNAの修飾過程に関しては、古細菌のtRNAのG15にアーケオシンを導入するアーケオシングアニントランスグリコシラーゼとtRNAの複合体の結晶構造を決定し、酵素がtRNAを大きく変形して、配列非特異的かつ位置特異的に、G15に修飾を入れる機構を解明した(論文改訂中)。さらに、tRNAのG18をメチル化するspoUに関して、酵素とメチル基供与体であるSAMとの複合体の結晶構造を1.5解能で決定し、触媒ドメインに存在する特徴的な結び目構造の持つ役割を解明した(論文準備中)。ヘミメチル化DNAに結合することで、細胞分裂に伴うDNA複製の回数を調節するSeqAタンパク質とDNAの複合体を2.5解能で決定し、ヘミメチル化DNAの認識機構を明らかにした(論文投稿中)。また、DNAの複製開始に関わるDnaAタンパク質とDNAの複合体の結晶構造を2.0&ェ解能で決定し、DNA認識機構を解明した(Nucleic Acid Res., in press)。さらに、ヒト由来EGFとEGFレセプターの複合体の結晶構造を解明し、リガンドによる新規のレセプター活性化機構を明らかにした(Cell,2002)。
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