研究課題/領域番号 |
11169209
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90219965)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 好気的呼吸鎖 / 超分子複合体 / 構造生物学 / 分子共生 / ユビキノン / 金属中心 / 大腸菌 / 末端酸化酵素 / 呼吸鎖 / 酵素複合体 / FTIR / 膜結合型マシーナリー / コハク酸水素酵素 |
研究概要 |
1)酸化還元中心を結合するサブユニットの構造ドメインに着目し、好気的呼吸鎖電子伝達系の4つの超分子複合体、すなわち、NADH脱水素酵素(複合体I)、コハク酸脱水素酵素(複合体II)、チトクロムbc_1複合体(複合体III)、末端酸化酵素(複合体IV)が分子共生と呼ぶべきダイナミックな再編成過程を経て進化してきたことを明らかにした。 2)大腸菌チトクロムbo型ユビキノール酸化酵素を末端酸化酵素のモデル系として、サブユニットIの高スピンヘムーCu_B複核中心で、高スピンヘムに結合した酸素分子の0=0結合が解裂してオキシ中間体からフェリル中間体ができる過程で、Tyr288残基が酸塩基触媒として働いて自らはプロトンと電子を供給して中性ラジカルになったパーフェリル中間体を経由することを明らかにした。 更に、1-^<13>C-Tyrや4-^<13>C-Tyrで標識した酵素標品を用い、酸素還元反応場での蛋白微細構造変化を解析し、完全酸化型から完全還元型への変換過程で、チロシン残基側鎖のプロトン化は観察されず、Kチャネル末端にあるTyr288残基の主鎖構造がGlu286側鎖の水素結合変化と平行して変化することを明らかにし、サブユニットIのヘリックスVIの構造変化が酵素の還元に伴うチャネルの機能制御に重要な役割を果していることを示唆する結果を得た。 3)X線構造解析では同定できないチトクロムbo型ユビキノール酸化酵素の2つのキノン酸化還元部位の構造を解明するために2種類のアジドユビキノンを合成し、光親和性標識実験系を構築した。 4)パルスラジオリシス法で、Cu_B中心がヘム間の電子移動に重要な役割を果すことを示した。 5)グリセロール密度平衡遠心やヒドロキシアパタイトHPLCステップを従来の精製法に加え、結晶化条件の改善に不可欠な無傷の複合体純度を向上させることが可能になった。
|