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発達過程における視覚系のバインディング問題と脳のダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 11170212
研究種目

特定領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関東京大学

研究代表者

多賀 厳太郎  東京大学, 大学院・教育学研究科, 講師 (00272477)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2000年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1999年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
キーワード新生児 / 乳児 / 視覚系 / 発達 / バインディング問題 / 選択的注意 / 馴化 / サッケード
研究概要

ヒトの視覚系は、形、色、動き、奥行きなどの特徴に関連するモジュールから構成されている。しかし、視野に複数の物が提示されたとき、一度分解された色と形などの特徴がどの物に帰属するかを決定するには、特徴を再統合する必要がある。本研究はヒトの乳児の発達過程からこのような「バインディング問題」を解明することを目的とした。生後0ヶ月齢から6ヶ月齢の乳児に、ある形と色の組み合わせからなる二つの図形(例えば赤の丸と緑の三角)を繰り返し提示して馴化させた後、形と色の組み合わせだけを変化させたテスト図形(例えば赤の三角と緑の丸)を提示したときに、その変化に脱馴化して注視時間が増加するかどうかを調べた。約半数の乳児には馴化基準に達した後も、2試行同じ図形を提示し続けてからテスト図形を提示するコントロール実験を行った。注視時間の増加を月齢ごとに平均して統計的な検定した結果、1・3ヶ月齢では有意な差が得られたが、2・4ヶ月齢では差が得られなかった。さらに、テスト中の注視行動を詳しく分析した結果、馴化時間は2ヶ月ごろに最大になること、1個の図形を注視する時間は2ヶ月の終わりから急激に減少して3ヶ月以降は変化しなくなること、二つの図形の間のサッケードは3ヶ月ごろ現れるが頻度は4ヶ月になると減少することなどがわかった。これらから、1・3ヶ月齢の児は色と形の組み合わせの変化を識別することができるが、異なる機構によって識別していると示唆される。例えば、1ヶ月では色と形のモジュールが未分化であるためバインディング問題を生じずに識別が可能であるが、3ヶ月齢児では二つの図形の間で注意を選択的に切り替えてバインディング問題を解決していると考えられる。1ヶ月齢児では物の色や形の処理に関与する腹側視覚経路がすでに機能しているが、物の位置の処理に関与する背側視覚経路との統合は3ヶ月の始めに起きると予測できる。

報告書

(2件)
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] G.Taga,T.Ikejiri,T.Tachibana,S.Shimojo,A.Soeda,K.Takeuchi,Y.Konishi: "Dynamic changes in development of visual feature binding in early infancy"Proc.Int.Conf.Infant Studies. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎(西野仁雄,柳原大編集): "「運動の神経科学」発育発達と運動の制御"NAP. 9 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎(岡田美智男,三嶋博之,佐々木正人編): "Bit別冊 身体性とコンピュータ"共立出版. 12 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎: "生後数カ月の視覚モジュールの統合の発達"第14回生体生理工学シンポジウム論文集. 221-224 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎: "複雑系から見た行動発達のダイナミクス"12-2. 21-25 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎: "乳児の歩行獲得の神経機構モデル"11-3. 37-41 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] G. Taga: "Dynamic changes in development of visual feature binding in early infancy"Proc. Int. Conf. Infant Studies. (in press). (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 多賀厳太郎: "脳と身体の非線形力学"金子書房 (in press). 200 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2018-03-28  

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