研究課題/領域番号 |
11170224
|
研究種目 |
特定領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
小山 なつ 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (50135464)
|
研究分担者 |
西尾 健資 京都大学, 医学研究科, 助手 (70303790)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | メリチン / アロディニア / 神経成長因子 / サーモグラフィー / CGRP / ピクロトキシン / c-Fos / Edinger-Westphal核 / NGF / メリケン / 軸索反射 |
研究概要 |
アロディニアとは、通常は痛みを誘発しない触刺激によって、誘発される痛みであり、炎症時や末梢神経損傷時に生じることがある。脊髄の侵害受容ニューロンへの触覚入力の機能的な結合の増強が生じたときにアロディニアが生じる可能性があると考え、2つの系で実験を行った。 1.触覚線維の解剖学的シナプス結合の再構築 抗NGF(神経成長因子)抗体投与により、侵害受容線維が消失すれば、それに代わり、触覚線維が侵害受容ニューロンにも軸索突起を伸ばし、アロディニアが生じる可能性がある。出生当日から4週間、ラットに抗NGF抗体(3μl/g/day)を皮下注射し、6週齢以後に実験を行った。抗NGF抗体投与ラットで、軸索反射性皮膚温上昇の抑制をサーモグラフィーで確認し、侵害受容線維の一部が消失したと示唆された。しかし、脊髄後角のc-FOSタンパクの発現や行動テストでは、抗NGF抗体投与群と正常群との間に有意差がなかった。出生後の抗NGF抗体投与では、TrkAを持つニューロンの一部が存続するために、触覚線維の新たなシナプス接続は成立せず、アロディニアは誘発されるには至らなかったと示唆された。 2.触覚線維の生理学的興奮作用の増強 GABAA受容体拮抗物質ピクロトキシン(Ptx)の全身投与は、脊髄後角広作動域ニューロンの痛み刺激に対する反応を抑制するが、触刺激に対する反応を増幅する。Ptx全身投与後、中脳ではc-FOSは、Edinger-Westphal核に密に発現し、中心灰白質、背側縫線核の非セロトニンニューロンにまばらに発現した。正常動物を発痛物質で刺激したときも、同部位にc-FOSの発現が見られた。これまで痛みに関するEdinger-Westphal核の役割についての研究はなされていなかったが、Edinger-Westphal核は、アロディニアおよび鎮痛と深く関わっている可能性が示唆された。
|