研究課題/領域番号 |
11170249
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
石黒 啓司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助教授 (20211039)
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研究分担者 |
山田 晃司 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究技術員 (60278306)
西井 一宏 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 研究技術員 (50278305)
澤田 浩秀 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 助手 (30247663)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | ハンチントン病 / CAGリピート / モザイク化 / モデルマウス / 線状体 / ハンチンチン / IT-15遺伝子 / 神経細胞死 / ポリグルタミン / アストロサイト |
研究概要 |
ハンチントン病(HD)は原因遺伝子のエクソン1の存在するCAGリピートの異常伸長が原因とされる神経変性疾患である。このCAGリピートの不安定性には(1)遺伝子を第2世代に引き継ぐ時に起こるCAGリピートの伸長化と(2)時間経過に従った体細胞遺伝子のCAGリピートの伸長化がある。前者では精子形成時に生じると考えられるCAGリピートのモザイク化であり、後者の場合は臓器を構成している細胞間でのCAGリピートのモザイク化としてHD患者で観察されている。我々はヒト患者由来の異常伸長したCAGリピートを持つエクソン1をマウスエクソン1と入れ替えることでノックインマウスを作製した。作製したマウスは全身性に異常ハンチンチンを産生しており、ゲノム遺伝子構造もHD患者とまったく同じであった。このマウスを2年間にわたり観察をしたところ、運動異常等の表現型は観察できなかった。しかし、CAGリピートのモザイク化は線条体や中脳で非常に強く観察された。また、大脳皮質や視床等でも観察できたが、小脳ではモザイク化は起こらなかった。このような観察結果はヒト死後脳においても同様に観察できた。末梢臓器では肝臓等で中程度のモザイク化が観察された。これらのことから、このマウスはHD患者の臓器で起こっているCAGリピートのモザイク化を表現していると考えられた。このCAGリピートのモザイク化と神経変性疾患との関係は明らかではないが、40週齢のHDモデルマウスではアストロサイト細胞の浸潤が顕著に観察され、少なくとも脳内での細胞構成変化が起こっていることが明らかになった。
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