研究課題/領域番号 |
11170259
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 (2000) 理化学研究所 (1999) |
研究代表者 |
酒井 宏 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (80281666)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2000年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1999年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 3次元知覚 / 情報統合 / 陰影 / テクスチャー / 心理物理実験 / シミュレーション / 特徴化 / シミレーション |
研究概要 |
3次元知覚における情報統合過程をシステム的に理解することを目的として、心理物理学的・計算論的研究をおこなった. 知覚のレベルでは、心理物理実験を行って知覚特性を求めた.具体的には、陰影・テクスチャ・輪郭・両眼視差を取り上げ、手掛かり特徴の組み合わせと3次元知覚の関係を検討した.ここでは、視野中に複数の物体がある場合について検討した.特に、単一の手掛かりが僅かしか与えられない場合、および、複数の手掛かりが矛盾する場合について検討した.この結果、陰影と輪郭またはテクスチャとの間に(陰影vs形状情報)促進的非線型性が観察された.形状情報がない場合には、従来知られてきた陰影からの3次元知覚が成立しないことが判った.例えば、上方光源・単一光源といった視覚系が持っていると考えられている仮説は、形状知覚なしには成立しないことが判った.また、それぞれの手掛かりが与える形状に矛盾があっても、両者が空間的に同じ場所に存在すると、より正しい3次元構造知覚が得られる傾向があることが判った.これらの結果は、全体構造が個々の3次元形状知覚に影響を及ぼしていることを示唆している.同様の結果は陰影と両眼視の場合にも観察された. これらの結果は、計算論的には次の示唆を与える.すなわち、それぞれの手掛かりから得られた結果を統合するのではなく、計算途中において相互乗り入れする制約条件によって統合が実現されていることを示唆する.これを検証するため、陰影とテクスチャの場合に注目して、低・中次視覚のネットワークモデルを構築し、シミューションをおこなった.空間周波数の特徴化によって、両者から比較的容易に3次元構造が算出可能であることが示された.
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