研究課題/領域番号 |
11170263
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研究種目 |
特定領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
星川 裕 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80280626)
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研究分担者 |
内野 博之 東京医科大学, 麻酔科, 助手 (60266476)
大森 信彦 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80311421)
芝崎 太 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90300954)
上田 正次 雪印乳業, YS研究所, 所長
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2000年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 虚血 / 細胞死 / カルシニューリン / ミトコンドリア / リン酸化 / サイクロスポリンA / アデノウイルス / 遺伝子導入 / 神経細胞死 / 免疫抑制剤 / アポトーシス / イムノフィリン / Bcl-2 |
研究概要 |
これまでに我々は脳虚血に伴う脳神経障害、特に遅発性神経細胞死のメカニズムの解明を進めてきた。これまでに、雄性Wister rat前脳虚血モデルを用い、カルシニューリン活性、MRI(Magnetic Resonanoe Imaging)、Badの脱リン酸化、チトクロームcの細胞質への流出さらに電顕によってミトコンドリアの形態変化を調べた結果、虚血性神経細胞死におけるCsAのほぼ完全な抑制効果は、カルシニューリンおよびimmunophilinを含む情報伝達系の抑制によることが証明された。また、CsA投与群(CsA(+))では、虚血後早期から著明なCREBのリン酸化、BDNF/TrkBのタンパク発現の増加遷延が認められ、CREBを介したBDNF/TrkB伝達系の増強が、CsAによる虚血性神経細胞死に対する保護効果に関与していることが明らかとなった。今後、虚血性疾患の臨床応用への道を大きく開くものと考えられる。実際、これらの機序をもとに新たな抗虚血薬の候補が見つかり、現在その薬剤を用いた、ラット虚血モデルでの効果を検討中である。また、虚血性病変への遺伝子治療の可能性を探る目的で、アデノウイルスファイバーのHIループにRGD(Arg-Gln-Asp)配列を導入したミュータントウイルスベクターを作製した。これにより飛躍的な感染効率の改善が認められ、アデノウイルスによる高効率な遺伝子導入が可能であることが明らかとなった。さらに虚血性神経細胞死に密接に関わるミトコンドリア膜でのMPT(mitochondrial permeability transition)pore形成にはCsAのターゲットであるcyclophilinD(CyPD)が存在するが、今回、このCyPDに対する結合蛋白としてporinおよびANT(ADP nucleotide translocase)が同定された。今後さらに詳しい解析を行う予定である。
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