研究課題
特定領域研究
本領域は、1)植物が病原微生物を認識しシグナル伝達系を通じて、種々の防御応答が発現する一連の分子機構の解明し、また2)病原微生物が宿主因子と相互作用して発現させる病原性や宿主の抵抗性の分子機構の解明して、耐病性分子育種を目指した。このために、合同研究会議、若手研究会、公開シンポジウムを行い、研究の進展を把握して成果を公開してきた。またニュースレター16号まで刊行した。重要な成果は以下のようである。1)ウイルスのRNAiサプレッサー活性がウイルスゲノムの複製とリンクしていることを発見し、新しい分野を切り開いた。2)病原菌の感染に対して起こる植物のHR細胞死は遺伝的にプログラムされた能動的な細胞の自殺であり、動植物を通じて共通のプログラム細胞死機構が存在するということが示唆された。3)ウイルス感染に応答する植物防御反応では、SAシグナル伝達系とJAシグナル伝達系が拮抗的にクロストークしていることをしめした。4)傷では誘導されず、ジャガイモと疫病菌の組み合わせてのみ発現するプロモーターを同定した。このプロモーター下流に抵抗性反応を誘導する遺伝子を組み込み、形質転換して、疫病抵抗性ジャガイモの作製に成功した。5)植物は外界から侵入する病原菌を植物独自の小器官である細胞壁(結合型NTPase)で認識することを見いだしたほか、細胞壁での防御応答を詳細にあきらかにした。6)感染初期防御応答で、カルシウムチャンネルが重要な役割を担っていることを発見し、これが全身獲得抵抗性の重要なシグナルとしてはたらいていることが示唆された。7)宿主特異性に関する研究では、毒素感受性の分子機構の一つが明らかにされた。これらの成果から耐病性戦略がいくつか考えられるようになってきた。
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