研究課題/領域番号 |
11203101
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 神奈川大学 (2005) 東京大学 (1999, 2003-2004) 名古屋大学 (2000-2002) |
研究代表者 |
湯田 利典 神奈川大学, 工学部, 特任教授 (60092368)
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研究分担者 |
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (10260514)
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60157039)
山本 嘉昭 甲南大学, 理工学部, 教授 (70068112)
柴田 祥一 中部大学, 工学部, 助教授 (20267909)
荒船 次郎 大学評価学位授与機構, 教授 (80013415)
村木 綏 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70013430)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
48,600千円 (直接経費: 48,600千円)
2005年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2003年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
2002年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
2001年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2000年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1999年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | チベット / 空気シャワーアレイ / 高エネルギーガンマ線 / 高エネルギー宇宙線 / knee領域 / 太陽の影 / 太陽中性子 / 宇宙線異方性 / 宇宙ガンマ線 / 宇宙線加速 / 空気シャワー観測装置 / 一次宇宙線 / 宇宙線放射天体 / シンチレーション検出器 / 太陽中性子望遠鏡 / ガンマ線点源 / カニ星雲 / 活動的銀河核 / ガンマ線天源 / 活動銀河核 / 羊八井高原 / 空気シャワー装置 / ガンマ線放射天体 / 太陽磁場変動 / 太陽フレア粒子 / 太陽活動期 |
研究概要 |
99年度からスタートした特定領域研究により、チベットのヤンパーチン高原(標高4300m)に中国と共同で高感度の空気シャワーアレイ及び太陽中性子観測装置を設置した。主な研究目的は、活動的天体からの高エネルギーガンマ線高エネルギー宇宙線及び太陽フレア(太陽表面での爆発現象)に伴って発生する高エネルギー中性子等宇宙由来の粒子を観測し、宇宙線の発見以来未解決の高エネルギー宇宙線の起源、加速及び伝播の問題について新たな知見を得ることである。まず、1998年までに建設された空気シャワーアレイ(Tibet-II)の増強とアップグレードは99年から漸次行ない、03年秋に完成した。完成した高精度空気シャワーアレイ(Tibet-III)は約800台のシンチレーション検出器からなり、各検出器は面積37000平方メートルの中に7.5mの間隔で碁盤目状に配置されている。宇宙線シャワーは毎秒約1700イベントの高頻度で観測され、その到来方向を1度より小さい角度精度で計測できる。太陽中性子望遠鏡は99年秋に完成し、太陽フレアの常時監視を続けている。サイクル23の期間に中性子イベントが数例観測された。これまでの観測により、以下のような重要な成果が得られている。 1)カニ星雲、活動銀河核Mrk421及びMrk501からのガンマ線の観測。これは空気シャワーアレイによるガンマ線放射天体の世界最初の観測である。 2)銀河の宇宙線強度の大規模異方性のエネルギー依存性の最初の観測。Cygnus領域に有意な異方性を観測している。 3)knee領域の一次宇宙線の全粒子及び一次陽子成分のエネルギースペクトルを観測し、kneeの主成分は陽子ではないことを明らかにした。 4)サイクル23の太陽活動期間の太陽の影を観測し、極大期に特有の新たな変動を見出した。 5)軟X線強度X3クラスの太陽フレアに伴う中性子の観測に成功。10GeVを超える高エネルギー中性子が含まれ、電子とイオンの同時加速を示唆するイベントが観測された。 これらは、高エネルギー宇宙線の起源・加速問題、太陽・太陽磁気圏及び銀河系空間の磁場と宇宙線の結合問題に関連する新たな観測結果である。本研究では、これらの研究成果を取り纏めて研究成果報告書を作成すると同時に、学術雑誌、国際会議、学会等でその発表を行なった。
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