配分額 *注記 |
17,400千円 (直接経費: 17,400千円)
2002年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2001年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2000年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1999年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
1.潮位等のデータの収集と補正等の処理をリアルタイムで行い,インターネット上のホームページに,黒潮の流路・流速・流量の過去から現在までの時系列情報を公開する黒潮監視システムを構築した。このシステムでは,黒潮の時間変化の詳細を時系列から読み取ることができ,黒潮や水温の平面分布を,気象庁のNEAR-GOOSデータベースの月平均水温グリッドデータを使った水温平面分布図と海上保安庁海洋情報部が半月ごとに発行している海洋速報で把握できるようになっている。 2.黒潮流路変動の特徴の一つであり,大蛇行の形成に重要な役割を果たす黒潮の小蛇行が,九州南方に発生して東方に伝播していく現象を,九州から房総半島にかけての沿岸潮位の周波数領域別経験直交関数第3モードによってモニターできることを明らかにした。黒潮監視システムで見ることができる。 3.トカラ海峡を横断するフェリー「あけぼの」に取り付けた音響ドップラー流速プロファイラー(ADCP)で,九州南方の黒潮の流速を2日に1回の割合で測定し,流速分布とその時間変化の特徴を整理した。 4.フェリーの流速データに含まれる潮流成分を除去するため,トカラ海峡での潮流の特性を調べ,推測方法を検討した。まず,これまでに取られた流速計データを解析してM2分潮の卓越を明らかにし,さらに,黒潮流軸付近の2点に係留ADCPを9か月間設置してほぼ海面から海底までの流速データを取得し,順圧モードが最も卓越すること,その3割程度の振幅をもつ傾圧第3モードが次いで大きいこと等を明らかにした。順圧モードの大きさを検潮所の潮位データから推測し,順圧モードと各内部モードの振幅比と位相差を黒潮流軸からの距離によって表すことができれば,任意の位置,深さ,時刻での潮流を評価できる。その推測値をフェリーでの流速データから引けば潮汐成分を除去できるという可能性を見出した。
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