研究分担者 |
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
石川 正 高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
藤本 順平 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
近 匡 成蹊大学, 工学部, 助教授 (90215442)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2001年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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研究概要 |
本グループにより開発されている、GRACEと呼ばれるファインマン振幅の自動生成プログラムを改良し、QCD(強い相互作用を記述する場の量子力学的理論)の高次補正効果を取り入れたイベント・ジェネレータ(仮想事象生成プログラム)を作成するための研究を継続して行った。 平成14年度までに、QCDの高次効果を含む計算を効率よく行うためのGRACEの改良を行い,3点相互作用までのループ補正を含んだ実効相互作用関数をGRACEに加えるとともに、QCDに特有の赤外発散を取り除き安定した数値計算を行うための「主要対数項差し引き法」を開発した。 引き続き,平成15年度においては4点ループ補正(ボックス・グラフ)の計算を行うための開発を行った。4点ループ積分では,次元正規化法により赤外発散を取り除く方法を採用し,そのための積分公式を用意した。これは,複雑な分子を持つループ積分を解析的に行い,超幾何関数で表現するもので,この超幾何関数を次元正規化法による特異点(極)の周りで展開することにより,必要な積分の値を得ることができる。従来の方法に比べ、計算時間が短く、数値的に安定となる利点がある。また,GRACEによる散乱振幅の生成も,次元正規化法に適合するように改良し,ボックス・グラフを含むループ補正の振幅を自動的に生成できるようになった。 現在,この方法を,格子+ジェット生成反応や重いボソン(Wボソン・Zボソン)+ジェット生成反応に応用し,ループ補正を含んだイベント・ジェネレーターの開発を行っている。 また,ツリー近似によるイベント・ジェネレーターであるGR@PPAにおいても,取り扱うプロセスの数を増やして,より実用的なものにして,広く実験グループに公開した。
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