研究分担者 |
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
東 正剛 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (90133777)
岩熊 敏夫 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60124335)
工藤 岳 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (30221930)
大崎 満 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60168903)
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配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
2001年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2000年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1999年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
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研究概要 |
2001年度には,既設の森林プロットの再測を実施した.3年間の樹高・幹直径関係の推移を測定している幌内川河畔林では,まだ明瞭な方向的推移を得るには至っていない.18年生と45年生の二次林での初期生長を,ミズナラ・イタヤカエデとカラマツ(植林樹)について,樹幹解析によって比較解析したところ,種間で応答挙動が違うことが示唆された.落葉分解観測については,ミズナラがすでに終了しているが,イタヤカエデとオオイタドリ(遷移初期種)について,幌内川河畔林内および有珠山の遷移初期植生で比較観測を実施した. 森林土壌から放出される二酸化炭素の空間的なばらつきや時間的な変動の詳細を明らかにすることを目的として空間スケールの異なる4つのサイトを設営し,内部に等間隔の100個の格子点上でチャンバー法による土壌CO_2フラックスの季節変化を2001年6月から11月まで毎月観測した.その結果,大きくばらつくフラックスの値は正規分布で近似できることがわかった.CO_2フラックスの季節変動の大きさは全ての観測点で一定の傾向を持っているとは限らず,また観測地点によって最大10〜40倍の差が見られた.季節変動から求めた温度係数Q10は約2〜9,平均値約5.2という値を示した. 土壌分解系の機能を探る目的で,冷温帯、温帯、暖温帯の広葉樹林と針葉樹林において,落葉・土壌・土壌動物のδ15Nとδ13Cを求めた.安定同位体比には,落葉<土壌<土壌動物の関係が見られ,土壌動物の中でも落葉食者よりも肉食者で大きな値を示した.土壌中の安定同位体比は,δ15Nとδ13Cのいずれも南方ほど高く,有機物の分解速度植物を介した炭素や窒素の流れが速いことを反映していた. モデル研究では,既存モデルの適用と,シュートモジュール機能モデルの定量化を実施した.米国モンタナ大学テラダイナミクスシュミレーション研究グループの開発したBIOME-BGCモデルを苫小牧タワーサイトに導入し,水・炭素・窒素の循環と貯蔵を日間隔でシュミレートした.ほぼ妥当な純一次生産速度に対して,現存量が実測推定に対して過少に出る傾向があった.葉・シュートレベルの生態生理過程から,個体と個体群の挙動を記述するモデル(PipeTree)は,北方性モミ属個体群を想定したデータマッチングを行い,今まで報告されてきた自己間引きにともなう変化など個体群過程を再現するのに成功した.
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